少年ジャンプの歴史~愛され続ける理由とヒット作品

ジャンプ50周年 話題

今年7月11日・「週刊少年ジャンプ」が創刊50周年を迎えます。「週刊少年ジャンプ」は発行部数が1990年代に600万部を超えた日本一の人気漫画誌です。

創刊から現在までを振り返る展示会「週刊少年ジャンプ展」、昨年開催されたVOL.1は週末に入場制限がかかるほど大好評でした。VOL.2は現在、森アーツセンターギャラリーで好評開催中、VOL.3は今年7月17日(火)から9月30日(日)まで森アーツセンターギャラリーで開催予定です。

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週刊少年ジャンプ展

週刊少年ジャンプの歴史がひとめで分かる「週刊少年ジャンプ展」、昨年開催された「週刊少年ジャンプ展VOL.1 創刊~1980年代、伝説のはじまり」では、『週刊少年ジャンプ』の礎を築いた名作が集結しました。「男一匹ガキ大将(本宮ひろし)」「ハレンチ学園(永井豪)」「北斗の拳(武論尊・原哲夫)」「DRAGON BALL(鳥山明)」「シティーハンター(北条司)」など、テレビで放映された、誰もが知っている作品の原画やフィギアが展示され話題となりました。

かつての愛読者も多く来場し、会場内は若者からシニア、女性に加えて、外国人の姿も目立ち、週末は入場制限がでるほど賑わいました。

週刊少年ジャンプ展 VOL.2

「週刊少年ジャンプ展VOL.2 ―1990年代、発行部数653万部の衝撃―」は、森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で6月17日(日)まで好評開催中です。

週刊少年ジャンプ展VOL.2では、90年代に連載され大人気をはくした作品が集結しています。

「こちら葛飾区亀有公園前派出所(秋本治)」「ジョジョの奇妙な冒険(荒木飛呂彦)」「SLAM DUNK(井上雄彦)」「キャプテン翼〈ワールドユース編〉(高橋陽一)」「DRAGON BALL(鳥山明)」など、お馴染みの人気作品が展示されれいます。

本展覧会では、少年ジャンプが誇るマンガ家たちが、全身全霊をこめて描いた肉筆原画や、作品の世界観を凝縮した展示物が公開され、最大発行部数653万部を記録した1990年代の「少年ジャンプ」のエネルギーを存分に楽しめます。

週刊少年ジャンプ展 VOL.3

週刊少年ジャンプ創刊記念月間の7月、「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.3 ―2000年代~、進化する最強雑誌の現在(いま)」が開幕します。

週刊少年ジャンプ展VOL.3は、7月17日(火)から9月30日(日)まで、森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催されます。

長く続く超ビッグタイトルから現在連載中の作品まで、圧倒的な支持を受ける数多の傑作の原画のほか、作品世界を堪能できる様々な趣向をこらした展示物が集います。

ジャンプ展VOL.3の期間中、作品別の「ファン感謝デー」が全12作品で開催されます。開催日当日には、会場にて追加特典の配布が予定されています。

7月20日(金):『BLEACH』、7月27日(金):『ONE PIECE』、8月3日(金):『僕のヒーローアカデミア』、8月7日(火):『D.Grary-man』、8月10日(金):『HUNTER×HUNTER』、8月17日:『銀魂』、8月21日(火):『NARUTO-ナルト』、8月24日(金):『DEATH NOTE』、8月28日(火):『家庭教師ヒットマンREBORN』、9月4日(火):『テニスの王子様』、9月11日(火):『黒子のバスケ』、9月18日(火)『ハイキュー!!』

ジャンプの三原則

ジャンプの三原則は、「友情・努力・勝利」といわれていますが、実は一度も公式に言われたことはありません。

50周年を迎えた週刊少年ジャンプの11代目編集長の中野博之さんは、「ジャンプ三原則『友情・努力・勝利』というのも不変ですか」という問いに次のように答えています。

「実は公式にこれ言ったことはないんです。ただ否定するつもりもありません。少年漫画である以上、当然入ってくる要素ですから。20人の編集部員にはそれぞれの考え方があります。『これこそジャンプだ』という編集者もいれば、『そんなもん、くそくらえだ』というのもいて」

ジャンプの中身は、巷でささやかれている「ジャンプ三原則」によるものではなく、アンケート至上主義で読者が中身味を決めています。なので編集長が変わっても、中身やカラーが変わることはありません。

中身やカラーが変わらなく、読者が中身を決めていることが、50年間愛され続けられる要因かもしれません。

現在の発行部数は200万部弱と最盛期の3分の1程度ですが、少年向けのコミック誌では、2位の週刊マガジンに約100万部ちかい差をつける、日本一の人気漫画誌です。(週刊少年ジャンプ184万833部、週刊少年マガジン88万3804部、月刊コロコロコミック76万3333部/日本雑誌協会調べ17年7~9月の印刷部数)

ジャンプの歴史

1968年7月 「少年ジャンプ」創刊 当初は月2回刊誌、創刊号の発行部数10万5000部

1969年より週刊となり「週刊少年ジャンプ」と改名 

「ハレンチ学園(1968年~)」「男一匹ガキ大将(1968年~)」など
 

 
1970年代 

1971年 発行部数が100万部を超える 

1978年 発行部数が200万部を超える

「ど根性ガエル(1970年~)」「侍ジャイアンツ(1971年~)」「マジンガーZ(1972年~)」「東大一直線(1976年~)」「キン肉マン(1979年~)」「こちら葛飾区亀有公園前派出所(1976~)」「コブラ(1978年~)」など

1980年代

1980年 発行部数が300万部を超える

1984年 12月年末最終号で発行部数が400万部を超える

1988年 12月年末最終号で発行部数が500万部を超える

「Dr.スランプ(1980年~)」「キャプテン翼(1981年~)」「キャッツ アイ(1981年~)」「北斗の拳(1983年~)」「DORAGON BALL(1984年~)」「魁!!男塾(1984年~)」「ジョジョの奇妙な冒険(1987年~)」「ろくでなし BLUES(1988年~)」など

1990年代

1991年 3・4号で発行部数が602万部を超える

1994年 12月発行の1995年3-4号で653万部を記録(少年漫画誌における最多発行部数)

1997年 「週刊少年マガジン」に発行部数を抜かれる。両誌とも発行部数は400万部台

「花の慶次(1980年~)」「SLAM DUNK(1980年~)」「地獄先生ぬ~べ~(1993年~)」「るろうに剣心(1994年~)」「ONE PIECE(1997年~)」「ROOKIES(1998年~)」「NARUTO-ナルト-(1999年~)」「ヒカルの碁(1999年~)」など

2000年代

2002年 「少年マガジン」をぬいて発行部数1位となる。発行部数はジャンプ、マガジン両誌ともに300万部台。

2008年 34号で創刊40周年を迎える。この頃から発行部数は300万部を下回る。

「BLEACH(2001年~)」「DEATH NOTE(2003年~)」「銀魂(2003年~)」「家庭教師ヒットマンREBORN!(2004年~)」「D.Gray-man(2004年~)」「SKET DANCE(2007年~)」「トリコ(2008年~)」「黒子のバスケ(2008年~)」など

2010年代

2010年 2号で発行部数が300万部台に復帰。

2014年9月22日 漫画雑誌アプリ『少年ジャンプ+』を創刊

2017年 発行部数が200万部を下回る

「ニセコイ(2001年から)」「暗殺教室(2012年から)」「僕のヒーローアカデミア(2014年~)」など

まとめ

ダントツの人気を誇る「週刊少年ジャンプ」が今年7月に50周年を迎えます。

創刊から1970年代にかけて「少年ジャンプ」は、順調に愛読者の心をつかみます。当時連載されていた人気作品の多くはテレビ放送され、少年ジャンプの発行部数も順調に伸びます。

1980年代ラブコメブーム(少年サンデーに連載された「タッチ」など)によってジャンプ発行部数は伸び悩みます。そんなジャンプの危機を救ったのは「北斗の拳」です。「北斗の拳」のヒットにより発行部数は再び右肩上がりに転じ、1994年には発行部数653万部を記録します。

最高発行部数をけん引したのは、「ドラゴンボール」や「スラムダンク」などの超人気作品です。「ドラゴンボール」「スラムダンク」の連載が終わると、ジャンプの売り上げは急落、1997年には創刊以来守り続けた少年誌発行部数第1位の座を「週刊少年マガジン」に譲ります。

2000年代以降は、「紙離れ」が進み、「漫画を読む人」が減少します。

現在のジャンプの発行部数は200万部を下回りますが、少年向けのコミック誌ではダントツの発行部数を誇ります。

週刊少年ジャンプ 184万833部。週刊少年マガジン88万3804部。月刊コロコロコミック76万3333部。月刊少年マガジン40万8110部。週刊少年サンデー31万1167部。ジャンプスクエア20万部。(日本雑誌協会調べ、17年7~9月の印刷部数)

世界中にファンがいる「週刊少年ジャンプ」、これから先も世界中の人々から愛される、「漫画」を世に送り続けて欲しいですね。

「ジャンプの王道とは何か」と問われた、堀江信彦さん(週刊少年ジャンプ最盛期の編集長)のこたえ

『少年に生き方を示す情報誌であること』

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