ギョウジャニンニクの特徴と間違えやすい有毒植物との見分け方~北海道の人気の山菜

地方・風習・方言

ギョウジャニンニクは、アイヌネギ、キトビロ、ヒトビロとも呼ばれる春に採れる山菜です。

北海道で採れる山菜の中で、最も人気のあるものの一つです。独特のニンニク臭がするので、好き嫌い分かれますが、ビタミンA・Cなどの栄養が豊富で、とても健康に良い山菜です。

北海道から近畿地方の山地に自生しています。北海道の山地に自生しているスズランやバイケイソウ類はギョウジャニンニクによく似た有毒植物です。

北海道の山地には自生していませんが、ギョウジャニンニクとよく似た有毒植物のイヌサフランを食べて死亡する事故が毎年のように起きています。

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ギョウジャニンニクの特徴

ギョウジャニンニクは、北海道から近畿地方の山地に自生しています。

北海道では、道南の低い山で3月の下旬ころ、道央圏の山では4月中旬から5月上旬ころ、日高地方の高い山では6月下旬ころに食べごろのギョウジャニンニクが採れます。

資料などによっては、山地の湿地に多く見られるとありますが、北海道の山地の湿地でギョウジャニンニクを見たことがありません。経験上、北海道のギョウジャニンニクは、日当たりの良い雑木林の中に多くあります。

強いニンニク臭があるので、近くにギョウジャニンニクが自生していると匂いで分かります。

ギョウジャニンニクを採るときは、ナイフやハサミなどで、地表とのきわを切ります。根を残し群生しているうち3分の1程度を残すことで、毎年おなじ場所で採ることができます。

ギョウジャニンニクは、栽培しやすく、根を畑に植えると、次の年にはギョウジャニンニクが出てきます。根を植えてから3年ほどすると、茎の太いギョウジャニンニクを畑で採ることができるようになりますが、味や香りは山で採ったものより劣ります。

夏に白い花が咲き、秋には枯れて見えなくなり、春になると芽を出します。

見た目の特徴

葉の数は、1芽から1~3枚(通常は1~2枚)。葉の形は楕円形で葉の根元が細くなっていて扁平状です。

根元は細く、赤い繊維質のハカマがあり、葉柄が包まれている。

栄養成分

葉にはビタビンCが100mgあたり60mg含まれ、ビタミンAも豊富。

揮発性含硫化合物(硫黄元素を含む有機化合物)、揮発性化合物を含む。

*揮発性含硫化合物には、自己免疫機能力を高める働きがあります。

*揮発性化合物には、強い殺菌作用があります。

スズランの特徴と見分け方

スズランは北海道や東北地方の山地に自生する多年草です。白やピンクの可愛らしい花が咲くので観賞用としても人気があります。

北海道平取町の「すずらん群生地」では、6月ころに見頃を迎えます。

スズランはギョウジャニンニクと似ている有毒植物です。食べると嘔吐・下痢などの症状があらわれ次いで心不全などをおこし死亡する危険があります。

ギョウジャニンニクとスズランの一番の違いは『におい』です。ギョウジャニンニクは、独特の強いニンニク臭がしますが、スズランにニンニク臭はありません。

切り口の『におい』を確認することで、間違いは防げます。

スズランは、葉の根元にギョウジャニンニクとよく似た、赤いハカマ(さや)があり、幼葉はギョウジャニンニクと同じように楕円形で葉の根元が細くなっています。

ギョウジャニンニクの葉は1~3枚ですが、スズランの葉は複数枚が重なっています。

ギョウジャニンニクより、葉が厚く硬く、ギョウジャニンニクの葉は大きくなるとひらくが、スズランの葉は花茎を包み込むように伸びる特徴があります。

スズランの花が咲く頃(北海道では5月~6月頃)に、「スズランの自生箇所を確認する」ことも、間違いを防ぐ有効な手段です。

バイケイソウ類の特徴と見分け方

バイケイソウは北海道から本州の山地の沢沿いや湿地に自生する多年草です。

バイケイソウはギョウジャニンニクと似ている有毒植物です。食べると嘔吐、下痢、手足のしびれ、めまい等の症状があらわれ死亡する危険があります。

ギョウジャニンニクとバイケイソウ類の一番の違いは『におい』です。ギョウジャニンニクは、独特の強いニンニク臭がしますが、バイケイソウ類にニンニク臭はありません。

切り口の『におい』を確認することで、間違いは防げます。

ギョウジャニンニクは、葉の根元に赤いハカマ(さや)があり、バイケイソウ類にはハカマ(さや)がありません。

ギョウジャニンニクより、茎が太く、葉が厚く硬く、葉脈が太くはっきりしています。

芽出し時期のバイケイソウ類は、ギョウジャニンニクに似ているが、大きくなると似ても似つかない植物になります。

夏期に、「バイケイソウ類の自生箇所を確認する」ことも、間違いを防ぐ有効な手段です。

イヌサフランの特徴と見分け方

イヌサフランはコルチカムの名称で観賞用として販売されている多年草です。

北海道の山地には自生していないとされていますが、心無い人が山地にイヌサフランを移植しているかも知れないので注意は必要です。

イヌサフランをギョウジャニンニクと間違えて食べて死亡する人は、自宅の庭にギョウジャニンニクとイヌサフランを植えている人です。

イヌサフランは、スズラン、バイケイソウ類より、ギョウジャニンニクと見分けるのが難しい有毒植物です。葉や球根に猛毒のアルカロイドを含み、食べると死亡する危険があります。

ギョウジャニンニクとイヌサフランの一番の違いは『におい』です。ギョウジャニンニクは、独特の強いニンニク臭がしますが、イヌサフランにニンニク臭はありません。

切り口の『におい』を確認することで、間違いは防げます。

ギョウジャニンニクの葉は、1~3枚ですが、イヌサフランの葉は、複数枚あります。

イヌサフランには、直径3cm~5cmの丸い球根があるが、ギョウジャニンニクに球根はない。

自宅の庭にギョウジャニンニクを植えるときは、「イヌサフランと離なし、はっきり分かるように区分して植える」ことも、間違いを防ぐ有効な手段です。

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まとめ

スズラン、バイケイソウ類、イヌサフラン(コルチカム)は、ギョウジャニンニクと間違えやすい有毒植物です。

有毒植物をギョウジャニンニクと間違えて採って食べたり、譲ってもらって食べたり、買って食べたことによる食中毒が毎年のように報告されています。

ギョウジャニンニクは、似ている有毒植物にはない独特のニンニク臭があります。

採るときは、『におい』を確認することで、間違いを防ぐことができます。

私は、毎年、ギョウジャニンニクを採りに行きます。

山奥なので、誰も来ませんが、毎年のように熊の足跡を目にします。

かつては、一人で行ってましたが、ここ数年は、知人と行くようにしています。有毒植物だけでなく、山には様々な危険があります。山菜を採りに行くときは、必ず複数人で行きましょう。

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