せこいとは?「せこい」の意味と語源~徳島県の方言「せこい」は意味が違う

せこい 地方・風習・方言

一般的に「せこい」は、「けちくさい・みみっちい・しみったれている」という意味で使われます。

おもに、金銭のやりとりで使われる「せこい」ですが、

金銭のやりとり以外では、「ずるい・料簡りょうけんがせまい・料簡がみみっちい」という意味で使われます。

明治時代の役者や芸人の間で使われていた隠語いんごの「せこい」は、「悪い・みにくい・へた」という意味で使われていました。

せこいの語源には諸説ありますが、これといった定説はありません。

徳島県の方言「せこい」は、共通語とは全く違う意味で使われています。

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せこいの意味

1・けちくさい・みみっちい・しみったれている

「せこいヤツ」:けちくさいヤツ

※おもに金銭のやりとりで使われる

2・ずるい・料簡がせまい・料簡がみみっちい

「せこい手」:ずるい手。「せこい考え」:料簡がみみっちい考え。

3・悪い・みにくい・へた

「芸がせこい」:芸がへた

※明治期の役者・芸人が用いた隠語

せこいの語源(諸説)

せこいの語源には諸説あり、これといった定説はありません。

語源(諸説)

1・「わるい・へた」という意味の「せこ」が形容詞化して、「せこい」になったとする説。

「せこい」は、役者や芸人の間で「客層がわるい・景気が悪い」という意味で使われ始めて、しだいに「けち・みみっちい」という意味がつよくなったとする説です。

2・「世の中のいろいろな俗事・世間の事情や習慣」を意味する「世故」を語源とする説。

世故に長けて、世渡りが上手な事を「世故い」というようになり、しだいに「打算的・抜け目がない」という意味で使われるようになり、「けち・みみっちい」という意味がつよくなったとする説です。

3・「粗末である・けち・みすぼらしい」という意味の古語「いやし」を語源とする説。

鎌倉時代の辞書「名語記」に、「いやしきものをせことなづく」とあり、この「せこ」が形容詞化して「せこい」になったとする説です。

徳島県の方言「せこい」

徳島県の方言「せこい」は、標準語の「せこい」とは全く違う意味で使われます。

この地方では、狭い場所のことを「せこ」といいます。

徳島の方言「せこい」は、この「せこ」が形容詞化した語で、「せこい」=「狭くて余裕がない」→「苦しい」という意味で使われるようになったといわれています。

徳島県の方言「せこい」の意味

1・肉体的に苦しい

徳島県の方言「せこい」は、肉体的に苦しい(辛い)という意味で使われます。

「せこそー」:苦しそー

「せこー、ないですか?」:苦しくないですか?

「ちょと、せこい」:すこし苦しい

「あー、せこー」:あー、苦しい

「息がせこい」:息をするのも苦しい

※北海道弁の「こわい」、京都弁の「しんどい」と同じ意味で使われます。

2・気苦しい

徳島県の方言「せこい」は、精神的に疲れる(気苦しい)という意味でも使われます。

「会社行くのせこいわー」:会社行くの精神的に疲れるわー

「せこい、こらえて」:気苦しい、許して

まとめ

標準語の「せこい」は、おもに金銭のやりとりで「けち・みみっちい・しみったれている」という意味で、考え方や手段において「ずるい・料簡がみみっちい」という意味で使われます。

明治期の役者や芸人は「せこい」を、「悪い・みにくい・へた」という意味で隠語として使いました。

徳島県の方言の「せこい」は、肉体的・精神的に苦しいという意味で使われます。

せこいの語源には諸説ありますが、これといった定説はありません。

英語で「せこい」にしっくりくる語はありませんが、金銭面でのせこさなら”cheap“が無難、He is cheap.なんて使い方をします。

考え方が「せこい」なら、”petty“が無難、He has a petty idea.なんて使い方をします。

無駄遣いをしなかったり、自分の身の丈にあった行動をとることは良い事だけど、他人から「せこいヤツ」って言われたくないですよね。

時には、身の丈以上の事をするのも大切なことなのかも知れません。

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