先日、赤信号で停車中に、後方からきた大型トラックに追突されました。
路面は、ブラックアイスバーンというより、氷の表面に水が浮いている最悪の状況。
なにやら怪しい雰囲気に気づいた時、大型トラックの荷台の側面が猛烈な勢いで迫ってきていて、万事休す。
警察に連絡し、保険会社に連絡。
保険会社から、折り返し連絡があり、事故の状況を説明。
「お車の、損傷はどの程度でしょうか?」
「後ろが、がっぱりつぶれて、後ろのガラスもありません」
「がっぱり?・・・ああがっつりですね」
うん??がっつりが共通語で、がっぱりは北海道の方言なのか?
「がっつり」も「がっぱり」も、もともとは北海道の方言。
「がっつり」は20年以上前から本州でも一般的に使われるようになり、今では九州・沖縄でも普通に使われる共通語になっています。
がっつりはもともと北海道の方言
たくさん・たっぷり、の意味で用いる「がっつり」は、北海道の方言。
しっかり・ぴったり、の意味で用いる「がっつり」は、九州の方言。
北海道の方言「がっつり」は、昔から”知床”で使われている浜言葉が北海道全土に広がった言葉。
九州の方言「がっつり」は、使用度が突出して高い”大分”の方言といわれている。
現在、がっつりは、広辞苑にも載っている、共通語です。
共通語としての「がっつり」の意味は、北海道の方言と同じです。
がっつりが、たくさん・たっぷりという意味で全国に広まったのは、2000年頃といわれていています。
そのきっかけになったエピソードには諸説あります。
1:北海道出身のラジオDJ”やまだひさし”さんが『ラジアンリミテッド(TOKYO FM)』で「がっつり」を使い流行させた。
2:北海道出身のお笑いタレント”加藤浩次”さんが『めちゃ²イケてるっ!(フジテレビ)』で「がっつり」を使い流行らせた。
3:北海道を訪れた、本州の人たちが、北海道のみやげ話のなかで「がっつり」を使い、徐々に普及していった。
など
がっつりの正しい使い方
「がっつり飲むベ」:ベロベロになるまで飲もうぜ
「がっつりやってやる」:こてんぱんにやってやる
「がっつり儲かった」:たっぷり(十分に)儲かった
「がっつり出た」:たくさん出た
がっぱりは北海道の方言
たくさん・たっぷり、の意味で用いる「がっぱり」は北海道の方言。
気が合う、の意味で用いる「がっぱり」は秋田の方言。
がっかり・気を落とす、の意味で用いる「がっぱり」は熊本の方言。
がっぱりが、もともとどこで使われていた言葉で、どうのようにして北海道全土に広がっていったのかは不明。
北海道には海岸の地域独特の浜言葉があります。
がっつりが、知床の浜言葉であるのと同様に、がっぱりもどこかの浜言葉だと思われるのですが、場所の特定にはいたりませんでした。
がっつりが全国に普及し共通語となった一方で、「がっぱり」はいまだに認知度が低い北海道の方言。
最近は、北海道出身の俳優”大泉洋”さんが、バラエティー番組などで使用し、徐々に認知されつつあるようですが、まだまだ「がっつり」にはおよびません。
がっぱりの正しい使い方
「がっぱり食べるべ」:お腹いっぱい食べましょう
「がっぱり貯めてる」:たくさん貯蓄がある
「がっぱりつぶれる」:ひどく潰れる(原形がなくなる)
「がっぱがっぱ出る」:これ以上ないほどに出る
まとめ
たくさん・たっぷりの意味で用いる「がっつり」「がっぱり」は北海道の方言です。
がっつりもがっぱりも、程度というより、数量の多さを表すときに使います。
がっつりは、2000年頃から全国に広がっていき、現在では広辞苑にも載る共通語。
一方、がっぱりは、いまだに認知度の低い北海道の方言。
最近、目にする看板に「がっつり大盛り」ってありますけど、道民から見るとちょっと違和感を感じます。
おそらく「たっぷり大盛り」あるいは「これ以上ないほどの大盛り」という意味で用いてると思いますが、道民なら「なまら大盛り」と表現するかな。
北海道の方言が共通語として国民に使われるのは喜ばしいことだけど、方言独特のニュアンスがなくなっていくのはちょっと寂しいです。
ちなみに、がっつり・がっぱりの最上級を表現するなら、
「がっつがっつ」「がっぱがっぱ」となり、「なまらがっつり」とか「なまらがっぱり」とはいいません。
余談
車を追突された時間は、午前7時45分ころ、場所は北海道上川地方。
前日の最高気温がプラス5℃、日中、路面の雪はとけ、夜間、しばれて路面はブラックアイスバーンに、事故当日、太陽が出て、表面だけがとけて氷の表面に水が浮いて、なまら滑る最悪の道路状況。
赤信号で停車していると、なにやら怪しい雰囲気を感じ、バックミラーで後方をみると、スピンした大型トラックの荷台の側面が猛烈な勢いで迫って来ていて、万事休す。
追突してきた大型トラックは悪い、けどあの道路状況で、スタッドレスタイヤなら、事故が起こるのも当たり前のように感じます。
安全運転っていうけど、安全に走れる道、ってのもかなり大切なような気がします。
事故の実況見分をしているとき、徐行しているにもかかわらず、多くの車がスピンしそうになっていたし、停車できずに通過していった車もいましたよ。