なんぼなんでもとは、『どう考えても。いくらなんでも』という意味で、小説などでも使われる標準語です。
なんぼは、「なんぼう(何ぼう)」が音変化した語で、「なんぼう」の方言的な言い方です。
大阪弁で、品物の価格をたずねる時は「なんぼ?」と言い、年齢をたずねる時は「なんぼ?」と言います。
なんぼなんでもの意味とは
なんぼなんでもの意味は、『どう考えても。いくらなんでも』です。
なんぼは、「なんぼ・・・ても。なんぼ・・・でも。」の形で、『いくら・・・でも。どれほど・・・でも。』の意味になります。
なんぼ言っても分かってくれないの意味は『いくら言っても分かってくれない』、なんぼ聞いても分らないの意味は『いくら聞いても分らない』、なんぼ見ても飽きないの意味は『いくら見ても飽きない』です。
なんぼなんでもの用例
なんぼなんでもそれはおかしい : どう考えてもそれはおかしい
なんぼなんでもそれはやりすぎ : いくらなんでもそれはやりすぎ
なんぼなんでも無理です : どう考えても無理です
なんぼなんでも(価格が)高すぎる : どう考えても(価格が)高すぎる
なんぼなんでもきびしすぎる : いくらなんでもきびしすぎる
なんぼの意味とは
なんぼを辞書でひくと、「なんぼう(何ぼう)」の方言的な言い方とあります。現在は「なんぼう」を使う人はほとんどいなく、「なんぼ」を使う人が多いので、「なんぼ」を共通語として捉えることもあります。
「なんぼ」は「なんぼう」が転じた語で、「なんぼう」は「なにほど(何程)」が音変化した語です。
【副詞】
1・ 不定の意を表す。どの程度。どのくらい。
2・ 数量・程度がはなはだしく、はっきりと限定できない意を表す。どんなにか。いかように。
3・ (「なんぼ・・・でも」「なんぼ・・・ても」の形で)数量が多く、程度がはなはだしい意を表す。いくら・・・でも。どれほど・・・でも。
大阪の方言(大阪弁)で、「なんぼ」は共通語のそれとは微妙に使い方が異なります。
品物の価格をたずねる場合の大阪弁は「これなんぼ?」。相手に年齢をたずねる場合の大阪弁は「なんぼ?」
数量などが限定できない状況で「なんぼ」使う場合(価格をたずねる。年齢をたずねる。等)は、標準語と方言に大差はありませんが、方言の「なんぼ」には方言特有の言葉の柔らかさがあります。
大阪の他に北海道、東北、東海、紀伊・伊勢をのぞく近畿、中国、四国、東九州の地域で価格や年齢をたずねる時に「なんぼ」を使います。
価格を聞いているのか、年齢を聞いているのか、何を聞いているのかは、その場の状況によって「なんぼ」の意味するところを聞く側が察知する必要があります。
大阪特有の「なんぼ」の意味と使い方
大阪弁を使った映画やTVドラマなどで耳にする「安(やす)うてなんぼ」「東京モンがなんぼのもんじゃ」。
安うてなんぼの「なんぼ」も、なんぼもんじゃの「なんぼ」も意味はおなじ、なんぼは「価値」という意味で使われます。
安うてなんぼは「安いからこそ価値がある」、東京モンがなんぼのもんじゃは「東京の人にどれほどの価値があると言うの」という意味です。
近年、大阪弁を使った映画や大阪弁を話すタレントなどの影響で、大阪特有の「なんぼ」の使い方は全国に周知されるようになり、「なんぼ」は「価値」という意味を含めて、共通語となりつつあります。
まとめ
なんぼなんでもは、小説でもよく使われる語です。
「なんぼなんでも、こんな風にだけはなりたくない」: 小林多喜二 防雪林
それでも、なんぼなんでも、妹の死骸(なきがら)ひとりのこしていくのはかわいそうだと(後略):横溝正史 人形佐七捕物帳
「いくらなんでも、あまり乱暴ですわ」と言うより、「なんぼ何でも、あまり乱暴ですわ」と言う方が、乱暴の程度が強く感じられます。
最近、SNS等に自分の犯した犯罪を自慢げに投稿している人が増えています。
「なんぼなんでも、許せない」投稿をする人を徹底的に排除して欲しい。とおもっているのは私だけでしょうか・・・。