JIS(日本工業規格)慣用色名でも、HTMLカラーコードでも、オレンジと橙色(だいだいいろ)は同じ色、オレンジとみかん色は違う色。
オレンジ・橙色は果実の「オレンジ」の表皮が由来の色で、みかん色は果実の「みかん」の表皮が由来の色。
オレンジ・橙色・みかん色は、どれも「明るい」「陽気」「モダン」「愉快」という印象の強い色。
同じ色のオレンジと橙色ですが、「音」で聞くとそれぞれ抱くイメージが異なってきます。
「オレンジ」と聞くと「モダン」な印象が強調され、「橙色」と聞くと「フォーマル」な印象が強調され、みかん色と聞くと「ほんわか」した印象を抱きますよね。
オレンジと橙色は同じ色
オレンジは、もともと日本で橙色と呼ばれていた色です。
「橙」が常用漢字でないことから、英語の【orange】を用い「オレンジ(色)」と呼ぶようになったので、オレンジも橙色も同じ色として扱われています。
JIS慣用色名 オレンジ・橙色(だいだいいろ)#ef810f
RGB(光の三原色) R(赤):239 / G(緑):129 / B(青):15
CMYK(インクの四原色) C(シアン):6 / M(マゼンタ):46 / Y(イエロー):94 / K(ブラック):0
HTMLカラーコード オレンジ・橙色 #ee7800
RGB R:238 / G:120 / B:0
CMYK C:7 / M:66 / Y:97 / K:0
オレンジ・橙色は、果実の「オレンジ・橙」が由来の、あざやかな橙系の色です。
オレンジとみかん色は違う色
みかん色(蜜柑色)は、日本の伝統色で、多くの日本画、染織物などで使われています。
みかん色は、オレンジよりも少し赤みが少なく黄色みが強い色です。
JIS慣用色名 蜜柑色 #eb8400
RGB R:235 / G:132 / B:0
CMYK C:8 / M:44 / Y:100 / K:0
HTMLカラーコード 蜜柑色 #f08300
RGB R:240 / G:131 / B:0
CMYK C:6 / M:45 / Y:100 / K:0
みかん色は、「温州みかん」に代表されるような、お正月に”こたつ”で食べる皮が薄くてむきやすいみかんの果皮の色が由来の、あざやかな黄赤です。
オレンジと橙色とみかん色のイメージ
オレンジ・橙色・みかん色は、柑橘系の果実の名を冠しているビタミンカラーで、健康的・陽気・モダン・愉快というイメージが強い色です。
オレンジも橙色も同じ色ですが、「オレンジ」「橙色」と発声したり書いて比べてみると、オレンジのほうが橙色より強く、健康的・陽気・愉快というイメージを抱きます。
「オレンジのスニーカー」と聞くと、若々しく健康的でモダンなスニーカーをイメージし、「橙色のスニーカー」と聞くと、どこか野暮ったいスニーカーをイメージしますせんか?
同じ色でも、カタカナ表記をイメージする「オレンジ」からは、「気取った」「おしゃれ」「モダン」というイメージを強く感じます。
一方で、漢字表記をイメージする「橙色」からは、「フォーマル」「真面目」「型通り」というイメージを強く感じます。
「-青に、緑に、オレンジに、黄に、それも万華鏡のような悪どさではなく-」(人外魔境:小栗忠太郎著)
「-自然を橙色に暖めるおとなしいこの日光が-」 (彼岸過迄:夏目漱石著)
「-橙色に染まった大きな雲があり-」(五辨の椿:山本周五郎著)
みかん色と聞いて「蜜柑」という漢字表記を思い浮かべる人は少数で、大多数の人は「みかん」という”ひらがな”表記を思い浮かべるようです。
目で見る色は、オレンジより赤みが少なく、あざやかな印象を受けますが、”音”できくと「みかん色」はオレンジや橙色よりも、「ほんわか」した印象を抱きます。
日本人は、漢字・カタカナ・ひらがなを上手に使い分けます。
漢字には「フォーマル」「真面目」「型通り」「冷たい」という印象を強く抱き、カタカナには「外国的」「おしゃれ」「モダン」「気取った」という印象を強く抱き、ひらがなには「日本的」「やわらかい」「ほんわか」「ほっこり」という印象を強く抱きます。
まとめ
オレンジと橙色は同じ色で、オレンジとみかん色は違う色です。比べてみると、オレンジよりみかん色の方が、若干赤みが少なく黄みが強いように見えます。
JISの慣用色を
RGB(光の三原色)で比べると、オレンジはみかん色より、R(赤)は4多く、G(緑)は3少なく、B(青)は15多い、
CMYK(インクの四原色)で比べると、オレンジはみかん色より、C(シアン)は2少なく、M(マゼンタ)は2多く、Y(イエロー)は6少ない、
いずれも差はわずかで一見すると同じ色に見えます。
オレンジ・橙色・みかん色はどれも、柑橘系の果実の名を冠しているビタミンカラーで、「健康的」「陽気」「愉快」「モダン」というイメージが強い色です。
いずれも、健康的なイメージが強いので、使う場所を間違えなければ、好印象間違いなし。
「あいつ見た目はワヤだけど、心はみかん色だ」って言われるような、男になりたいと思う、今日このごろです。