海や川、地面などにふくまれる水は、いつも蒸発(じょうはつ)しています。
蒸発した水は水蒸気(すいじょうき)になって、空をのぼっていきます。空の上のほうは、温度が低いので、水蒸気は冷やされて小さい水の粒(つぶ)や氷の粒になり、それがたくさん集まって雲になります。
雲の中の、小さな水の粒や氷の粒はくっついて、どんどん大きくなり、空にうかんでいられなくなり、やがて落ちていきます。
雨も雪もみぞれもあられもひょうも、雲の中では小さな氷の粒です。* 日本でふるほとんどの雨は、雲の中では氷の粒です。
氷の粒は、気温が0℃より高いと落ちていく途中で雨になり、気温が0℃以下のときは、雪となってふります。
みぞれ・あられ・ひょうはどのようにして出来るのか、雪とみぞれの違い・あられとひょうの違いは何か、小学生にもわかるように、やさしく説明します。
みぞれは雪に雨がまじったもの
みぞれは、冬のはじめや冬の終わりに多くふります。
みぞれを漢字で書くと「霙」、英語では「Sleet」。
みぞれは、雪が地上につくまでの間に完全にとけきらずにふるもの、雨と雪がまじってふるものです。
みぞれは雪のなかま
みぞれは、とけかかってふる雪で、雨がまじった雪です。
みぞれは、雪のなかまの一つで、雪とはっきりとした違いはありません。
なので、冬のはじめに、みぞれがふっても初雪となります。
「みぞれまじりの雪」とか「みぞれまじりの雨」という表現はまちがいです。
あられは直径5㎜未満の白い氷の粒
あられは、普通の雪がふるときより気温が高く、水蒸気がたくさんあるときにふります。
あられを漢字で書くと「霰」、英語では「Hail」、英語では、「あられ」と「ひょう」は同じ語です。
あられには「雪あられ」と「氷あられ」があります。
雪あられは、雪のまわりに水の粒がついてこおり、白い氷の粒になってふるものです。
氷あられは、雪あられのまわりが、半透明(はんとうめい)の氷のまくでおおわれてふるものです。
あられは、5㎜未満(5㎜より小さい)の白い氷のかたまりで、5㎜以上の白い氷のかたまりはひょうです。
あられも雪のなかまの一つです。
ひょうは直径5㎜以上の白い氷の粒
ひょうは雷(かみなり)のときにふります。
夏は雷が多いけど気温が高く、とけて雨になることが多いので、ひょうは気温が低い5月や10月ころに多くふります。
ひょうを漢字で書くと「雹」、英語では「Hail」、英語では、「ひょう」と「あられ」は同じ語です。
ひょうは積乱雲(せきらんうん)からふってきます。
積乱雲は「かみなり雲」とも呼ばれ、雷をともなって激しい雨やひょうをふらせます。
積乱雲の中は、地面から空の上の方に向かって、はげししく風がふいています。
氷の粒(雪の粒)が雲から落ちると、この風におしもどされます。おしもどされる途中で、氷の粒にちいさな水の粒がくっついて、氷の粒は大きくなります。大きくなると、また落ちます。
氷の粒は積乱雲の中で、おちたりのぼったりをくりかえして、どんどん大きくなっていき、やがて白くて大きな氷のかたまりとなってふってきます。これがひょうです。
ひょうの表面はなめらかな氷で、その大きさは直径5㎜以上。5㎜未満のものはあられと呼びます。
記録が残っている中で、世界最大のものは、1917年(大正6年)6月29日埼玉県大里郡熊谷町(現在の熊谷市)にふったひょうで、大きさは直径7寸8分(29.6㎝)、重さ9百匁(3.4㎏)です。(Wikipedia参照)
ひょうとあられのちがいは大きさと雲
ひょうは5㎜以上の白い氷のかたまりで、あられは5㎜未満の白い氷のかたまりです。
ひょうは積乱雲(かみなり雲)でしか出来ないけど、あられが出来る雲にきまりはありません。
ひょうは積乱雲で出来るので、雷をともなってふりますが、雷がなくても、あられはふります。
ひょうは5月や10月にふることが多く、あられは冬に多くふります。
俳句で「ひょう」は初夏の季語、「あられ」は冬の季語です。
まとめ
「雨」も「雪」も「みぞれ」も「あられ」も「ひょう」も、雲の中では小さな氷の粒です。
もとは同じ小さな氷の粒が、地面に落ちる途中で、かたちやを特色を変えて、雨・雪・みぞれ・あられ・ひょうとなってふってきます。
氷の粒は、気温が0℃より高いときは「雨」、0℃以下のときは「雪」、雪に雨がまじって「みぞれ」、雪に水の粒がついて凍った白い氷のかたまりで5㎜未満の「あられ」、積乱雲でつくられる白い氷のかたまりで5㎜以上の「ひょう」となってふります。
雨は、ふりすぎると自然災害を引き起こす、時にやっかいな気象ですが、ふらないと農作物にわるいえいきょうがでたり、水不足になって日常生活にわるいえいきょうがでたりします。
大雪は、交通をまひさせたり、建物をおしつぶしたりすることがあり、大きなひょうは、家や車をこわしたり、人の命をうばうことがあります。