「学ぶ」には2つの読み方、「まなぶ」と「まねぶ」があります。
大辞泉では「まなぶ」と「まねぶ」は同語源という記述があり、広辞苑では、「まねぶ」と「まねる(真似る)」は同源(同じ語源)と記述していますが、「まなぶ」と「まねぶ」が同源という記述はありません。
「まなぶ」「まねぶ」「まね」が、平安初期の同時期に使われていたのは、文献などから間違いないようで、「学ぶ」が「真似る」の語源なのか、「真似る」が「学ぶ」の語源なのか、「学ぶ」と「真似る」は同じ語源の語なのか?本当のところはわかりません。。
「学ぶ」の意味と語源、「まね(真似)」の意味と語源、なぜ「学ぶ」は「真似る」の語源といわれるのか、わかりやすく解説します。
学ぶの意味と語源
学ぶ(まなぶ)の意味は、「まねてする」「見習って知識・芸・技術などを身につける」「教えを受ける」「学問をする」。
学ぶ(まねぶ)の意味は、「まねをする」「まねて習う」「見たり聞いたりしたことを、そのまま人に伝える」「教えを受けて習う」。
まなぶは、「教えをうけて、学問する」という意味で多く使われ、まねぶは、そっくりそのまま「模倣する」という意味で多く使われます。
学ぶの語源は「まねぶ」・「まねる」とする説
「学ぶ(まなぶ)」の語源は、「まねぶ」・「まねる」とするのが一般的な解釈です。
学ぶという意味は「弟子が師をまねて教養や技術などをみにつける」ことで、もとは「まねする」ことから始まるということ。
新明解語源辞典には、「まねぶ」は「まなぶ」と同源(同じ語源)であるが、まねすることがもとの意味であったと記述されています。
「まなぶ」「まねぶ」「まね」が、平安初期に使われていたのは、文献などから間違いありません。
「まなぶ」より先に「まねぶ」「まね」が使われていたという明確な根拠はありません。この説には疑問がのこります。
新・語源辞典には、「まなぶ」も「まねぶ」もともに平安時代の文献にでているので、どちららが先かは不明と記述されています。
学ぶ(まなぶ)の語源は「ま並ぶ」とする説
まなぶの「ま」は一種の接頭辞で直接の関係はなく、「なぶ」に学ぶの語源があるとする説です。
*接頭辞とは、語のまえに付けて、その語の意味を強めたり、調子を整えたり、ある意味をそえたりする語。「亜熱帯」の「あ」、「さ湯」の「さ」、「真冬」の「ま」のような語です。
「なぶ」は、古語の「なむ(並む)」の「む」が「ぶ」に転じた語で、「並ぶ(なぶ)」は、「ならべる」「つらなる」「つづく」という意味で使われる語。
まなぶの語源は、「ま並ぶ」で、並ぶとは、「弟子が師に教えをこい、その水準に並べるように努力すること」という意味。
ま並ぶに、「まねる」というニュアンスがふくまれていないし、なぜ違う漢字の「学ぶ」を、わざわざ当てたのか?この説にも疑問がのこります。
学ぶ(まねぶ)の語源は「まね」とする説
「まね」は「まねぶ」の語根とするという説です。
1932年~1937年(昭和7年~昭和12年)に刊行された、国語辞典「大言海」に記述のある説。
「まなぶ」「まねぶ」「まね」が、平安初期の同時期に使われていたのは、文献などから間違いありません。
なぜ、「まね」が「まねぶ」より先に使われていた語なのか?明確な根拠はなく、この説にも疑問がのこります。
真似るの意味と語源
真似る(まねる)の意味は、「まねをする」「模倣する」「他のものに似せてする」。
真似るは、「まね」の動詞形で、真似るの語源は「まね」にあります。
真似の意味は、「まねること」「模倣」「動作」「しぐさ」。
まねの語源は「ね」とする説
まねの「ま」は一種の接頭辞で直接の関係はなく、「ね」に「まね」の語源があるとする説です。
*接頭辞とは、語のまえに付けて、その語の意味を強めたり、調子を整えたり、ある意味をそえたりする語。「亜熱帯」の「あ」、「さ湯」の「さ」、「真冬」の「ま」のような語です。
「まね」の「ね」は「に」が転じた語、「に」は「似」で、似は「そのものに似ているさま」を表す。
そのものに似ているさまを表す「に」という語がいつから使われていたのか不明で、この説に疑問がのこります。
平安初期、「まね」は仮名書きが普通で、漢字表記で「真似」と書くようになったのは14世紀頃です。
まねの語源は「壱岐真根子」とする説
まねの語源は「壱岐真根子(いきのまねこ)」という人の名前とする説です。
応神天皇の時代に、事実でない悪口によって”武内すくね”という人が殺されそうになったとき、”武内すくね”に似ていた”壱岐真根子”が身代わりになって自刃しました。
この話から、「まね」という言葉ができたとする説。
なんか、ありそうな話で面白いけど、話のねたになっている文献の詳細がなく、信んじることはできません。
なぜ「学ぶ」は「真似る」の語源だといわれるのか?
「まなぶ(学ぶ)」「まねぶ(学ぶ)」の語源が「まねる(真似る)」といわれたり、逆に「真似る」の語源が「学ぶ」といわれるのは、いろいろな説がのこっているから。
「学ぶ」の語源が「真似る」なのか?「真似る」の語源が「学ぶ」なのか?本当のところはわかっていません。
どの語の語源もはっきりしていないし、意味もにているし、発音もにているので、いろいろな国語学者などが、それぞれの見解を辞書などで紹介し、まことしやかに語られたいろいろな説が現在にまでのこりました。
ひとつだけ、確かなのは「まなぶ」も「まねぶ」も「まね」も平安時代初期には使われていて、どの語が最初に使われたか、わからないということです。
まとめ
まなぶ・まねぶ・まねるの語源には諸説ありますが、どれも信憑性にかけています。
「まなぶ」の語源は、「まねぶ」・「まねる」とするのが一般的な解釈ですが、本当のところはわかりません。
「まなぶ」も「まねぶ」も「まね」も平安時代初期には使われていた語で、どの語が最初に使われたかは不明です。
語源が、はっきりしないから、いろいろな学者などが、それぞれの見解をまことしやかに発表し、いろいろな説が現在にのこっています。
スポーツなどで、「学ぶ」ことはもともと「まねる」ことだ!上手な人の真似をすることで上達する!なんて指導をしているようですが、それで上達するなら、それはそれで良いことだと思います。