引っ越しブルーとは、引っ越しがきっかけでなる「うつ病」です。
うつ病は、15人に一人が経験するといわれているほど、身近なものです。
うつ病になるきっかけは、人によって違います。
大切な人との別れ、事故などのトラウマ、仕事・人間関係のストレス、結婚・出産・昇進・引っ越しなどの生活の変化がきっかけになります。
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引っ越しブルーになったなと思ったら、誰にでも簡単にできる6つの対処方法を試してください。それでも、回復しない時は、無理せずカウンセリング機関に行くことをおすすめします。
臨床心理師・公認心理師のアドバイスを参考に、わかりやすく対処方を紹介します。
引っ越しブルーの症状
臨床心理師・公認心理師の記述を参考に、まとめました。
体がなんとなくだるかったり、落ち込んだり、ゆううつになったり、寝付けなかったりする日が数日つづくことは、誰にでもあることです。
気にしすぎるのは良くありませんが、引っ越しがきっかけで2週間以上、次のような、症状がつづいたら「引っ越しブルー」かもしれません。
感情における症状
ゆううつ・悲しみ・不安・あせり・いらいら・むなしい・喜びが感じられない
思考における症状
集中力、決断力、意欲、興味の低下・罪や恥の意識・自分で自分をせめる・自分への失望・自信がもてない・将来を悲観する・堂々めぐり
行動における症状
ミスの増加・人をさける・遅刻、早退、休みが増える・消極的・飲酒量の増加
身体における症状
寝付けない・夜中に何度も目がさめる・めまい・手足のしびれ・食欲不振・過食・性欲の低下・疲労かん・身体の痛み
引っ越しブルーになるきっかけ
人はみな、自覚はしていないけど、変化にたいする怖れをもっています。
引っ越しの荷造りが面倒くさい、今まで住んでいた部屋・土地から離れるのが辛い、引っ越し先でうまくやっていけるか不安、引っ越しした所でなじめずにこのままの生活が続くと思うと不安、これらの感情がきっかけになって引っ越しブルーになります。
荷造りが面倒くさいと思うのは皆おなじです。いつまでに荷造りを終わらせなければいけないというストレスがきっかけで、うつ(ブルー)になります。
今まで住んでいた部屋・土地を離れたくない、近所の仲の良い友人や慣れ親しんだ環境から離れたくないという気持ちがきっかけで、うつになります。
引っ越し先でうまくやっていけるか?誰でも不安になります。うまくやっていける自信がないという気持ちが強くなりすぎて、うつになります。
引っ越し先で、すぐに友達をつくったり、近所の人や環境になじめる人は、ほとんどいません。このままで大丈夫?という不安がきっかけで、うつになります。
公認心理師のなかには、「うまく荷造りできたら、自分にご褒美をあげるなど、作業にゲーム性をもたせて楽しむ」、今までの友達と離れるのが辛いなら「SNSやメールなどで、まめに連絡をとるなど、疎遠にならない方法を考える」ことで、引っ越しブルーを予防できるとアドバイスしている方もいます。
引っ越し先で、すぐに周りになじむことができずに、うつになる人は大勢います。体験談から、仕事をする、仕事に集中する、○○教室に通う、資格をとる、ボランティアに参加する、など多くの人が家からでて何かすることで引っ越しブルーから回復しています。
誰にでもできる6つの対処方法
引っ越しブルーになると、回復するまでには時間がかかります。個人差はあるものの「半年くらいで、自分では気づかずに回復していた」という体験談が多くみられます。
樺沢紫苑 うつ病を克服する方法 YouTube
引っ越しブルーは、引っ越しがきっかけでなる「うつ病」です。
ほとんどの臨床心理師・公認心理師がすすめている、回復のために誰にでもできる6つの対処方法は、引っ越しブルーにも有効です。
引っ越しブルーかなと思える症状がでた時、引っ越しブルーになりそうで不安になった時、試してください。
引っ越しブルーになって、6つの対処方などいろいろ試しても効果がない場合は、無理せずカウンセリング機関に行くことをおすすめします。
十分な休養をとる
休養をとったことで、もっと頑張らなきゃとか思ったり、自分をせめたり、することはありません。
休養をとること、ときに怠けること、は自分にとって一番大切なこと(仕事)だと、とらえましょう。
荷物のかたづけや近所へのあいさつなど、無理して今すぐにやらなくても良いことは、「気が向いたときにする」くらいの気持ちで行いましょう。
規則正しい生活をする
できるだけ、規則正しい生活をするよう心がけます。
朝、起きたら、カーテンをあけて、日光をあびましょう。
できたら、一日3食、栄養バランスの良い食事をしましょう。
心地よい時間を過ごす
自分が心地よいと思うことをして過ごす。
好きな音楽をきいたり、好きな俳優のでているドラマをみたり、お香やアロマでリラックスしたり、気持ちがほっとすることをしてみましょう。
一日、一回、少しの時間、なにも考えずに、目を閉じて過ごすのも良いでしょう。
体を動かす
元気がある日は外にでる。外に出たくなければ家の中で軽い運動をする。
外に出る元気がある日は、散歩したり、ショッピングしたり、軽く体を動かしましょう。
家の中で、ダンスやヨガ、ストレッチを無理のない程度にするのも良い運動になります。
いやなことから逃げる
にがてなこと、いやなこと、気がむかないことから、避ける・逃げることが必要なこともあります。
にがてな人や行きたくもない会合やパーティー、いやな刺激からは、できれば距離をとりましょう。
なにより、引っ越しブルーからの回復をめざします。
周りにサポートしてもらう
一人では、苦労しそうなこと、やりづらいことは、周りにサポートしてもらいます。
信頼できる人に、気持ちを聞いてもらいましょう。
近所との人間関係・初めての環境になじむには、時間がかかります。親しい友人・知人などの助けをえながら、あせらずゆっくりと慣れていきましょう。
まとめ
人はみな、自覚はしていないけど、変化にたいする怖れをもっています。
引っ越しで、今まで住んでいた所をはなれ、新しい所で生活を始めるにあたって、不安になるのは当たり前です。
引っ越しがきっかけで、2週間以上、ゆううつになったり、喜びを感じられなくなったり、寝れなくなったり、というような症状がつづくようなら「引っ越しブルー」かもしれません。
引っ越しブルーは「十分な休養をとる」「規則正しい生活をする」「心地よい時間を過ごす」「体を動かす」「いやなことから逃げる」「周りにサポートしてもらう」という誰にでもできる簡単な6つの行いで、予防したり回復することができます。
引っ越しブルーを体験した人の多くは、仕事をする、仕事に集中する、○○教室に通う、資格をとる、ボランティアに参加する、など家からでて何かすることで回復しています。
いろいろ試しても心が晴れないようなら、早めに無理せずカウンセリング機関に行くことをおすすめします。