「ハイパーインフレ」「ハイパーデフレ」とは~インフレ・デフレは、なぜ起こるのか?~

デフレ-インフレ 社会

ハイパーインフレ(ハイパーインフレーション)は、「インフレ率が毎月50%を超えること」と米経済学者フィリップ・ケーガンによって定義されています。

インフレ率が毎月50%で継続すると、一年後に物価は130倍(インフレ率13000%)になります。

一方、ハイパーデフレ(ハイパーデフレーション)には、デフレ率なん%というような具体的な定義はなく、需要に対し供給能力が極端に過大になることをいいます。

ハイパーデフレとは、生産性が過剰に高いという意味です。

インフレ率とは物価の上昇率のこと、デフレ率とは物価の下落率のことです。

インフレ(インフレーション)とは、需要が供給を上回る(みんなが欲しい量より、モノやサービスが少なくなる)状態が続くことで、物価が上昇し、物に対するお金の価値が下がることです。

デフレ(デフレーション)とは、需要が供給を下回る(みんなが欲しい量に対して、モノやサービスが余る)状態が続くことで、物価が下落し、物に対するお金の価値が上がることです。

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なぜインフレは起こるのか?

インフレが起こる主な要因には、為替レートの暴落・急激な経済成長(高度成長)・戦争・内乱・大規模な自然災害などがあります。

なかでも、為替レートの暴落とそれに伴う輸入物価の暴騰は、ハイパーインフレの直接的な要因になっています。

インフレとは需要(みんなが欲しい量)が、供給(モノやサービスを生産する量)を上回る状態が持続することです。

モノやサービスが少ないと、値段が高くても人々はモノやサービスを購入(消費・投資)します。高い値段で売れると生産者(企業など)の収入が増え、労働者(消費者)の給料が増えます。消費者の収入が増えると、さらに需要が増え、結果的に物価が上昇し続けます。

個々人にとっては良いことも、全員が同じことをすると、社会全体に悪い結果を生みます。このことを「合成の誤謬(ごびゅう)」といいます。

インフレが起こり、インフレが続く大きな要因の一つは「合成の誤謬」です。

少ないモノやサービスを、われ先にと購入することで、インフレは長引きます。

なぜデフレは起こるのか?

デフレは、人口動向とは無関係に、バブルが崩壊した場合にのみ発生します。

デフレが起こった結果、人口が減少するというケースは見られますが、未だかつて「人口が減ってデフレになった」ことはありません。

「バブル期に数千万円していたゴルフ会員権が、バブル崩壊後に100万円程度になった」、これがデフレです。

ハイパーデフレとは、AIやロボットなどの進歩によって、生産性が過剰に向上することで、結果として物価が下落することをいいます。

ハイパーデフレを急激な物価の下落と捉えても間違えではないようですが、デフレが「バブルの崩壊によってのみ起こる」ことを考慮すると、ハイパーデフレは「生産性が過剰に高い」という意味合いが強いと思われます。

デフレとは、需要(みんなが欲しい量)が、供給(モノやサービスを生産する量)を下回る状態が持続することです。

モノやサービスが余っているので、なんとかして物を売るため生産者は値段を下げます。安く売ると生産者(企業など)の収入が減り、労働者(消費者)の給料も減ります。消費者の収入が減ると、さらに需要が減り、結果的に物価が下落し続けます。

デフレスパイラルとは、消費者の給料が減る、給料が減ると物が売れなくなる、物が売れないから値段を下げる、値段を下げると給料が減る、給料が減ると物が売れなくなる・・・を繰り返し、どんどん経済が縮んでいくことをいいます。

デフレが起こり、デフレが続く大きな要因の一つは、インフレ同様に「合成の誤謬」です。

購入を控えていると、値段が安くなる、「もっと安くなる」ことを期待して、みんなが購入を控えることでデフレは長引きます。

現在の日本のデフレ

現在の日本は、デフレの状態にあります。

デフレは、バブルが崩壊した場合のみ発生する経済現象です。

政府・日銀はデフレ脱却のため、消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率2%を目標として掲げています。

総務省統計局ではCPIの前年比を毎月公表していますが、2%に達したことは一度もありません。(総務省統計局CPI結果

物の値段が安い方が、楽に生活できると思いがちですが、デフレになると、収入が減ります。

「物の値段が安くなっても、それ以上に収入が減る」=「実質賃金の下落」すると、モノやサービスが手に入り辛くなります。

デフレ下で実質賃金が下がっていくと、『モノやサービスが豊富にあるにもかかわらず、所得が不足している・不足していると感じている消費者(国民)は、モノやサービスを手に入れることができなくなる』という現象が発生します。

現在の日本は、この状態にあります。

まとめ

需要が供給を上回り、物価が上昇し続けることをインフレ(インフレーション)といいます。

需要が供給を下回り、物価が下落し続けることをデフレ(デフレーション)といいます。

ハイパーインフレとは、「インフレ率が毎月50%を超える」急激に物価が上昇する経済現象です。

ハイパーデフレとは、「生産性が過剰にする」ことで物価が下落する経済現象です。

インフレが起こる要因は、為替レートの暴落・急激な経済成長・戦争などさまざまですが、デフレが起こる要因は唯一無二「バブルの崩壊」です。

現在の日本は、デフレの状態にあります。

デフレが長引くと、国民はモノやサービスを手に入れることができなくなります。

デフレによって「教育・仕事・食料・保険医療・飲料水・住居・エネルギーなどの基本的なモノやサービスを手に入れることができなくなる」この状態をデフレ型貧困といいます。

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