ハイパーデフレが起こると住宅ローンの金利は0%になるのか?~デフレ時におすすめの全期間固定型ローン~

デフレ住宅ローン 社会

現在の日本はデフレの状態にあります。デフレからの脱却を目指し、政府は様々な経済政策を行っています。

「住宅ローン減税制度」も「すまい給付金制度」も、デフレからの脱却を目指し、消費の拡大を促す政策の一つです。

住宅ローン減税制度はあくまで所得税から控除する仕組み(還付金・給付金ではない)で、すまい給付金は収入額が750万円以下(条件付き)が住宅を取得する際に一度だけ給付金が支給される制度です。条件をクリアすると両方の制度を併用することが可能です。

デフレが持続しても、ハイパーデフレ(需要に対して供給能力が極端に過大になる経済現象)が起こっても、ローンの金利が0%以下になることはありえませんし、ローンは完済しなければいけません。

デフレ下で金利は0%以下になりませんが、デフレになると土地や建築費が安くなり、金利も低くなりさらに金融機関が融資の対象の層を広げる可能性もあるので、住宅を手に入れやすくなる可能性は高くなります。

デフレが持続したり世界中の誰も経験したことのない「ハイパーデフレ」になったとき、「収入が減る」あるいは「失業」し、「住居を手放し借金だけが残る」というようなリスクがあります。

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住宅ローンの金利は絶対に0%にならない

住宅ローンとは「個人」または「その家族」が、住居を得るために金融機関から融資を受けることです。

金融機関とは、金融取引に関する業務を営む組織です。融資して金利によって報酬を得ることも金融取引の一つで、金融機関の大切な収入源です。

金融機関の収入源であるので、デフレが持続しようと「ハイパーデフレ」が起きようと、住宅ローンの金利が0%以下になることはありえません。当然、ローンは完済しなければいけません。

ローンの金利は0%以下にはなりませんが、マイナス金利政策が導入されて以後、住宅ローンの金利は下がり続けています。

現在のデフレが持続し、金利が下がっているうちは、金利の低いローンに借り換えることで、返済負担が軽くなることが見込めます。

住宅ローンの金利は何で決まるのか?

住宅ローンは金利のタイプによって主に3つに分けられます。

完済するまで一切金利が変動しない「全期間固定型」、当初の一定期間は金利が同じでその後は原則として金利が変動する「当初期間固定型」、半年ごとに金利を見直す「変動金利型」の3つです。

全期間固定型と10年以上の当初期間固定型は、長期金利とほぼ連動しています。これらは各金融機関が10年物国債の利回りなどを参考に決めています。

*長期金利とは、金融機関が1年以上のお金を貸し出す際に適用する金利のことで、物価の変動や金融政策などの長期的な予想で変動します。新聞やテレビなどで報じられている長期金利は、10年物国債の利回りを指します。

変動金利型の金利は、短期プライムレート(短プラ)に連動します。

*短プラとは、銀行が最優良の企業に貸し出す際の最優遇貸出金利(プライムレート)のうち、1年以内の短期貸出の金利をいいます。現在の短プラは「新短プラ」とも呼ばれ、公定歩合ではなく譲渡性預金などの市中金利に連動して決められています。

変動金利型住宅ローンの金利は、「新短プラ+1%」が基本ですが、新短プラにコストや利益分をプラスして金利を決定しているところもあり、マイナス金利導入後もほとんど下がっていません。

デフレ時の住宅ローンは全期間固定型がおすすめ

デフレ時に全期間固定型ローンをくむと、「デフレ脱却で市場金利が上昇しても返済負担が変わらない」というメリットがあります。

現在、住宅金融支援機構が金融機関と提携して手がける全期間固定型ローン「フラット35」でも条件よって金利が1%を切る例が増えています。

フラット35は、一般的な変動金利型ローンに比べて「金融機関による融資審査のハードルが低い」とされていて、金融機関が融資対象の層を広げる可能性が高いと言われています。

現在導入されている「住宅ローン減税制度」を利用すると、金利1%未満で支払う利息より税額控除の方が多くなる場合もでてきます。

住宅ローン減税制度のポイント(住宅ローン減税制度の概要:国土交通省 参考)は「毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除」「所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除」「令和元年10月の消費税率引き上げに合わせて控除期間を13年間に拡充」などがあります。

住宅ローン減税制度は、あくまで所得税からの控除なので、所得の低い人はあまり恩恵を感じることができない制度ですが、収入が低い人は「すまい給付金」を併用することができます。

すまい給付金は、消費税率が8%のときは収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円を給付するものです。

ハイパーデフレが起きた時のリスク

ハイパーデフレ(需要に対し供給能力が極端に過大になる経済現象)が起きたときでも、ローンを返済する必要があります。

ハイパーデフレが起こると、「実質賃金の下落」「収入の激減」「失業」などが予想されます。

ローンが完済する前に、ハイパーデフレが起こり収入が減ると、住宅ローン減税も縮小され、実質の返済負担が増し、住宅ローンの返済が家計を苦しめる。

ハイパーデフレが起こり、失業などにより、安定した収入を得ることができなくなると、ローンの返済が不可能になり、住宅を売却せざるを得なくなる。

ハイパーデフレが起こり、土地や建物の価値が下がると、過剰な借り入れ状態になる。(ローン返済が不可能になり、住宅を売却しても借金だけが残る。)

ハイパーデフレは、世界中の誰も経験したことのない経済現象です。

先にあげたリスクは、あくまで予想ですが、デフレが持続し経済が縮小し続けた場合にも当てはまるリスクです。いわば「リスクの中でも良い部類のリスク」なのかもしれません。

住宅ローンの金利は、これより下がらないという、経済評論家もいます。

金利が安く「住宅ローン減税制度」「すまい給付金」が利用できるからといって、デフレ時のローンにはリスクがないわけではありません。

まとめ

現在、日本はデフレの状況にあります。

どんなに、デフレが持続しようと、ハイパーデフレになろうと、ローンの金利が0%以下になることはありえません。当然、ローンは完済しなければいけません。

「マイナス金利政策」以後、住宅ローンなどローンの金利は下がり続けています。

ローンの金利が低く、デフレにより土地や建築費などが安くなり、「住宅ローン減税」や「すまい給付金」といった制度があることで、現在の日本は住宅が手に入りやすい状況にあります。

デフレが持続したり、世界中の誰一人経験したことのないハイパーデフレが起こると、「ローンの返済が不可能になり、住宅を売却しても借金だけが残る」というリスクがあります。

住宅ローン減税制度の概要:国土交通省の〈住宅ローン減税シミュレーション〉では、10年間で2割の割合で年収が上がると仮定しています。

私事ですが、年収は2年前より約3%減っています。おそらく多くの方も年収が減っていると思います。

実状にあった、シミュレーションをしなければ、全く意味のない数字の羅列になってしまいます。

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