ポジショントークとは。その意味を知らないで信用を失っていませんか

言葉

ポジショントークとは、「ポジション(立場)」についての「トーク」ではありません。ポジショントークとは、既にポジションを持っている人が、自分のポジションにとって有利に働くような物言いをすることです。

金融用語の「ポジション(position)」に由来する「ポジショントーク」は、株式・為替・金利先物市場はもちろん、日常生活でも使われます。

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ポジショントークとは

金融用語の「ポジション(position)」は「建玉(たてぎょく)」とも言い、株式・為替・金利先物市場などのマーケットでディーラーが信用取引、先物などの売買を行ったあとで、未決済のまま保持している株式や通貨のことを言います。

未決済で持っている状態にあると、自分が既に決めた方向に有利な展開を望む心理(利益を得たいという心理)が働きます。

ポジショントークとは、既にポジションを持っている人が、自分のポジションにとって有利に働くような物言いをすることです。ポジショントークは、あからさまな利益の誘導をするものではなく、割と中立的な立場からの分析や予測といった体裁(ていさい)をとります。

金融用語のポジショントークとは、自分の投資戦略に有利になるような分析や見解を、微妙なニュアンス(あからさまな相場誘導は規制されています)で発言することです。

日常生活(一般用語)においては、自分に有利な状況、自分の望む展開になるような発言のほかに「立場に応じた物言い」といった別の意味での発言を指します。

金融用語のポジショントークに要注意

 
金融市場全般で使われるポジショントークは、特定のポジションを持っている人が、客観的な見方ではなく、主観的な見方で、自分の保有するポジションに対して有利になるような、情報を流したり、発言したりすることを指します。

自分の利益のために発言している情報や予想なので、必ずしも正しい情報や予想とは言えません。

ポジショントークとして発した内容が虚偽である場合は「不法行為」となりますが、単に憶測による市場予想や微妙なニュアンスの発言は「不法行為」には当たらないとされています。

ポジショントークを頻繁に発信している人や、過去に的中した予想をやたら自慢している人のポジショントークは信用しないほうが良さそうです。

社会的な地位の高い人や金融業界の人のポジショントークも、必ずしも正しいとは言えません。ポジショントークとは、発言者にとって有利な展開になるように、発信されている情報です。有名な人の発言だからといって、100%信用するのは危険です。

McAfee(マカフィー)の創業者John McAfee氏のポジショントーク(一部抜粋)

2020年までに1Bitcoin(ビットコイン)が100万ドルになると予想します。間違えていたら自分のディックを食します。

マカフィー氏がどの程度のビットコインを保有しているか定かではありませんが、これぞポジショントークという発言です。

日常生活におけるポジショントーク

金融用語のポジショントークと比べると、日常用語のポジショントークの定義はかなり曖昧です。

「他人に嫌われたくない」「好きな人から愛されたい」「出世したい」などの意図をもって、自分を良く見せようとして話すこともポジショントークといいます。

自分に有利な状況や自分の望む展開になるような発言のほかに、「立場に応じた物言い」をポジショントークという風潮もあるので、「親が子供を諭す」「上司が部下を指導する」などのこともポジショントークといって良いでしょう。

無意識に話すポジショントークはとてもとても危険です。

意識が行き届いていないと、意図が見え見えになり、評判を下げ自分にとって不利になることもあります。ポジショントークをする時は、覚悟をもって、計算高く、隙を見せないことが重要です。

ちなみに、「ポジション」についての「トーク(発言・会話)」はポジショントークではありません。

例えば「○○さんが、部長なのは納得できない」とか、「○○さんは、内野手というより外野手にむいている」のような発言を、ポジシショントークというのは間違いです。

まとめ

本来ポジショントークとは、金融用語の「ポジション(建玉)」に由来し、既にポジションを持っている人が、自分のポジションに有利に働くような物言いをすることです。近ごろは、金融用語のほか、日常用語としても使われています。

ポジショントークは、発言している人にとって有利に働くように発信されてる情報です。発言者にとって有利になる情報は、100%正しい情報ではありません。

ポジショントークをするときは、覚悟をもって、計算高く、隙をみせないことが重要です。迂闊(うかつ)なポジショントークは、信用を失うことになります。