東海林は、なぜ「しょうじ」と読むのか?不思議な読み方の名字

しょうじ・とうかいりん 言葉

東海林という名字には「とうかいりん」「しょうじ」「しょうし」という三つの読み方があります。

辞書で東海とひいても、林とひいても「しょうじ」につながる読み方はありません。

全国には、約91,500種の名字があります。東海林さんは、全国に約20,200人いて、923番目に多い名字です。

東海林さんは、もともとは全員が「とうかいりん」さんで、その中から「しょうじ」「しょうし」と名乗る人があらわれたと考えられています。

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東海林さんの人数

全国に東海林さんは、約20,200人います。全国的には「しょうじ」さんがもっとも多く、次に多いのが「とうかいりん」さん、一番少ないのが「しょうし」さんです。

東海林は、東日本に多く、西日本では少ない名字です。

東海林さんの人数・多い都道府県

1位 ・ 山形県 : 約4,200人

2位 ・ 東京都 : 約2,600人

3位 ・ 北海道 : 約2,500人

4位 ・ 秋田県 : 約2,000人

5位 ・ 神奈川県: 約1,900人

その他 ・宮城県:約1,600人、埼玉県:1,300人、千葉県:約980人

1位山形県・2位東京都では「とうかいりん」と読む人がもっとも多く、3位北海道以下には「しょうじ」と読む人がもっとも多くいます。「しょうし」と読む人は全国に少数います。

東海林さんの人数・少ない県

富山県・鳥取県・徳島県・香川県・高知県・佐賀県では人数を確認できていません。

福井県・滋賀県・和歌山県・島根県・広島県・山口県・長崎県・熊本県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県:約10人

東海林さん・名字の由来

「新編姓氏家系辞典」丹羽基二著 に、東海林姓に次のような記述があります。

「この氏は、古くから全国に及んでいるが、東北ことに山形、秋田、宮城県に多い。(中略)

氏は、大陸渡来の林(りん)氏が日本(または日本の東海地方)に帰着し、日本の林氏という意味で東海林(トウカイリン)と云っていたが、これら林氏の多くは、大陸渡来の承仕師(しょうじし)として、寺院や公家の佛事の雑役などを勤めていたために、いつとはなしにしょうじと呼ばれるようになったものと思う

簡単にいうと

大陸から東海(日本)に来た林(りん)氏が、「東海林・トウカイリン」と名乗っていて、彼らの多くが承仕師(しょうじし)という職に就いていたので、「東海林・しょうじ」と呼ばれるようになって、「しょうじ」と名乗る人があらわれた。

ということで、

東海林さんは、もとは全員「トウカイリン」さんだったけど、その中から「しょうじ」「しょうし」と名乗る人があらわれた。

ということです。

*東海は、日本国の異称。承仕師は、寺院などの雑役を務めた人。

不思議な読み方の名字

東海林さんは、「しょうじ」と読みます。国語辞典で調べても、漢字辞典で調べても、なぜ「しょうじ」「しょうし」と読むのか判りません。

東海林・しょうじのような不思議な読み方の名字は沢山あります。

名字(漢字): 読み : 人数 : 由来

小鳥遊 : たかなし :約30人 : 鷹(たか)がいない場所という意味が転じて、小鳥が遊べるほど安全な場所を意味する「小鳥遊」という漢字が当てられたと考えられています。

神服  : はっとり :約20人 : 服飾に関する職についていた服部(はっとり)氏の中で、特に神事にまつわる衣装に関する職についていた人が「神服」という名字を名乗ったと考えられています。

雲母  :きら・きらら:約60人 : きららは「雲母・うんも」の古称。雲母(うんも)がよくできる地域が起源の名字と考えられています。

五十嵐 : いがらし :約157,000人 : 五十(いか)は古語で生後五十日目の祝いを指します。名字の由来には五十日足彦命の子孫、吹き荒れる荒地など諸説あります。

百々  :どど・とうどう等:約3,200人: 近江国坂田郡百々村(どどむら)が起源と考えられています。なぜ百々で「どど・とうどう」と読むのかは不明。

まとめ

日本には約91,000種の名字があります。

東海林・しょうじのように不思議な読み方をする名字が沢山あったり、全国に数人しかいない珍名もあります。

太田道灌、普通に読むと「おおたどうかん」、室町中期の武将ですが、太田道灌には現在の辞書には載っていない読み方がありました。

かつて太田道灌は「にわかあめ」の当て字で、太田道灌は「にわかあめ」とも読まれていました。

日本には、意味をよく考えて漢字を当てたり、意味に関係なく発音(音)に漢字を当てたりする「当て字」の文化があります。

名字にも当て字を使ったものがあります。小鳥遊・たかなし姓は意味をよく考えた当て字の名字です。

余談ですが、私が今まで会ったなかで一番めでたい名字は『万寿』。万寿と書いて『まんじゅ』と読みます。なんだか近くにいるだけで良いことがありそうな、とてもありがたい名字です。

ちなみに、全国に約210人の『万寿』さんが、いるようです。

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