緒戦と書いて「ショセン」または「チョセン」と読みます。初戦と書いて「ショセン」と読みます。
もともとの漢語は「緒戦」で、のちに読みが同じで意味が似ている「初戦」が使われるようになったといわれています。
緒戦の「諸」は、【物事を引き出す手口・物事のはじめ】という意味。
初戦の「初」は、【ことのおこり・最初】という意味。
緒戦の意味と使い方、初戦の意味と使い方、緒戦と初戦の違いを、くわしくやさしく解説します。
緒戦の意味と使い方
戦前の辞書には、「戦争の始期」「戦争のはじめのころ」という意味で「緒戦」はのっているけど、「初戦」という言葉(語)はのっていませんでした。
緒戦の読み「チョセン」は、ショセンの慣用読みです。
※慣用読み:正式な読み方ではないけれど、広く一般に用いられる読み方のこと。
緒戦の意味
① 戦争や競技・試合のはじまりの段階。始まったばかりのころの戦争や競技・試合
② 一連の戦いや競技・試合のうち、最初の戦い・試合
緒戦の「諸」は、音読みで「ショ」「チョ」、訓読みで「お」「いとぐち」。
緒戦の諸は、糸口のこと、【物事を引き出す手口・物事のはじめ】という意味の語。
緒戦の「戦」は、音読みで「セン」、訓読みで「いくさ」「たたか(う)」。
緒戦の戦は、たたかうこと、【いくさ・試合・競争】という意味の語。
緒戦の使い方
新聞などの報道では、緒戦は「戦いの始まったころ」を意味します。
第1戦という意味で用いるショセンは「初戦」が一般的。
1・緒戦の勝利
意味:戦い(試合)初期での勝利
2・今季緒戦のレース
意味:今季、始まったばかりのレース
3・昇級緒戦を制する
意味:昇級したばかりのレースを勝利する
4・ほんの緒戦にすぎない
意味:まだ戦い(試合)の初期にすぎない
5・後半緒戦
意味:戦い(試合)の後半戦のはじめのころ
6・緒戦は調子がでなかった
意味:戦い(試合)のはじめのころ調子がでなかった
初戦の意味と使い方
もともとの漢語は「緒戦」で、のちに読みが同じで意味が似ている「初戦」が使われるようになったといわれています。
現在は、緒戦と使い分けされるのが一般的です。
初戦の意味
① 最初の戦い(試合)。第1戦
初戦の「初」は、音読みで「ショ」、訓読みで「はじ(め)」「はつ」「うい」「そ(める)」
初戦の初は、はじめてのこと、【第1回目・最初】という意味の語。
初戦の戦は、たたかうこと、【いくさ・試合・競争】という意味の語。
初戦の使い方
新聞などの報道では、「戦いの始まったころ」を緒戦、「第1戦」を初戦として使い分けています。
1・初戦敗退
意味:第1戦で敗戦する
2・ツアー初戦
意味:ツアーの第1戦
3・昇級後の初戦
意味:昇級後の第1戦
4・初戦が重要
意味:第1戦が重要
5・初戦は3月15日
意味:第1戦は3月15日
緒戦と初戦の違い
緒戦は「戦い(試合)のはじまったころ」、初戦は「最初の戦い(試合)・第1戦」として使い分けるのが一般的です。
ラジオやテレビなど音声で情報を伝える場合は、緒戦と初戦が同じ発音になるので、「試合の序盤」、「第1戦」などショセンという言葉をさけて使う場合もあるようです。
ショセンの同音異義語は他に「所詮」もあります。
※同音異義語:発音が同じで、意味の異なる語
所詮の意味は
① あれこれ考えた結果・結局
② 最後に行きつくところ
まとめ
緒戦と初戦は発音が同じで、意味も似ているけど、使い分けるのが一般的です。
緒戦は「戦い(試合)がはじまったころ・戦い(試合)の初期」、初戦は「最初の戦い(試合)・第1戦」という意味で用いられます。
「アメリカ大統領選に向けた民主党予備選緒戦の流れ」は、「アメリカ大統領選に向けた民主党予備選の初期の流れ」という意味。
「アメリカ大統領選の候補者選びの初戦」は、「アメリカ大統領選の候補者選びの第1戦」という意味。
リーグ戦の緒戦、優勝候補の○○が初戦で敗れる。
なんだか、ややこしいけど、緒戦と初戦の違いわかりましたか?