逐電と書いて、「ちくでん」または「ちくてん」と読みます。
意味は、ゆくえをくらまして逃げること。
英語に訳すと、abscond とか run away ・ escapeなど「逃げる」「逃亡する」という意味の表現になります。
彼は会社のお金を盗んで逐電した
He took company money and absconded.
なんて、使い方をします。
逐電の意味と由来、用例をくわしく、わかりやすく解説します。
逐電の由来
逐電は、もともとは「いなずまを追いかける」という意味の漢字です。
逐は、音読みで「チク」、訓読みで「おう」。
豕は「いのしし」を意味し、豕+辶でいのししを追いつめることを表した漢字です。
逐の意味には、「追いかける・追いつめる」という意味もあります。
電は、音読みで「デン」「テン」、訓読みで「いなずま」。
電には、「いなずま」という意味もあります。
電の原字は申で、稲妻の姿をえがいた象形文字。電は、雨+申(のびる)で、長くのびる稲妻を表した漢字です。
逐電は、いなずまを追いかけることに由来する漢字です。
逐電の意味
逐電には、いなずを追いかけることに由来した、2つの意味があります。
① ゆくえをくらまして逃げること。逃げてゆくえをくらますこと。
② 行動がとても早いこと。急ぐこと。
現在は、①の意味で使われことが多く、②の意味で使われることは、ほとんどありません。
逐電の用例
公金を横領して、海外に逐電した。
切腹がこわくて、逐電した。
友人の女房をうばって逐電した。
逐電した男の結末は悲惨だった。
なぜ、彼女は逐電したのでしょう。
逐電の類語
類語とは、似た意味をもつ語のことです。
1・逃亡 にげて身をかくすこと
2・出奔 にげてゆくえをくらますこと。
3・失踪 ゆくえをくらますこと。
4・雲隠れ ゆくえをくらますこと。
5・逃避 にげかくれること。
まとめ
逐電と書いて、ちくでん、または、ちくてんと読みます。
もともとは、稲妻を追いかけるという意味で使われていましたが、現在は、「ゆくえをくらまして逃げること」「逃げてゆくえをくらますこと」という意味で使われることが多く、「行動がとても早い」という意味で使われることは、ほとんどありません。
逐電・・・したくないですね。