けちょんけちょんの意味は、「徹底的にけなされたりやりこめられたりして体を成さないさま(広辞苑)」。
もとは、和歌山県日高郡の「けちょに」という方言。
けちょんけちょんを難しい言葉でいうなら「完膚(かんぷ)なきまで」。
「けちょんけちょん」は全国どこでも通用する言葉ですが、どちらかというと西日本で多く使われる言葉で、東日本では「こてんぱん」や「こてんこてん」のほうが多く使われています。
けちょんけちょんの意味と類義語
けちょんけちょん・完膚なきまで・こてんぱん・こてんこてん、どれも意味は「徹底的にやりこめられる、やりこめる」。
完膚なきまで・こてんぱん・こてんこてんは、「けちょんけちょん」の類義語(類語)です。
相撲用語では、「けちょんけちょんにする」・「こてんこてんにやっつける」ことを「がいにする」といいます。
肉体的なダメージに限って使われる品の悪い言葉には、「ボコる」「ボコられる」もあります。
けちょんけちょんの用例
徹底的に「やりこめたり」、「やりこめられたり」、「打ち負かしたり」、「打ち負かされたり」した時に、「けちょんけちょん」は使われます。
ボクシングの試合で、一発のパンチでKO(knock-out)された場合とか、親に「バカ」と一喝された時には「けちょんけちょん」は使われません。
サッカーの試合で10対0で負けた(勝った)とき、親に「ねちねちと、これ以上ないくらい」に叱られた時などに、「けちょんけちょん」は使われます。
1・試合やケンカなどで、徹底的に負けた(勝った)場合
けちょんけちょんにやられた(してやった)。
2・徹底的に自分の意見の悪い点ばかりを非難された場合
けちょんけちょんに、けなされた。
3・論争などで、徹底的にやりこめられた(やりこめた)場合。
けちょんけちょんに、言い負かされた(言い負かした)。
けちょんけちょんの英語訳
日本語の「けちょんけちょん」を、英語に訳すときは、そのシチュエーションによって、言い表し方が変化します。
1・けちょんけちょんにやられる : be completely beaten
2・けちょんけちょんにけなされる : be harshly criticized
3・ケンカでけちょんけちょんにする : pulverize
4・試合でけちょんけちょんにする : beat a person hollow
5・論争などでけちょんけちょんにやりこめる: defeat thoroughly
けちょんけちょんの語源
けちょんけちょんの語源は、和歌山県日高郡の方言「けちょに」だという説が有力です。
「けちょに」は、「非常に」という意味で、これを重ねて強調することで、「徹底的に」という意味になり、全国に広がっていったという説です。
けちょんけちょんの類義語「こてんこてん」の語源は、「こってり」という説が有力です。
「こってり」には、「時間をかけて徹底的に叱責するさま」という意味があります。
「こてん」は「こってり」の擬態語で、これを重ねて強調したという説です。
まとめ
けちょんけちょん、意味は「徹底的にやりこめる、やりこめられる」。
けちょんけちょんにする、けちょんけちょんにやられる、やってもやられてもあまり気分の良いことではありません。
もっと気分の良くないのは「ぼこる」「ぼこられる」。
北海道に住んでいると、「けちょんけちょん」より「こてんぱん」をよく耳にします。
「けちょんけちょん」は西日本で多く使われ、「こてんぱん」・「こてんこてん」は東日本で多く使われるというのも、うなずけます。
ちなみに、「こてんぱん」を北海道の方言とする人も多いようですが、「こてんぱん」を方言としている辞書はなく、北海道に住んでいても北海道弁だと聞いたことがありません。