チャックもファスナーもジッパーも同じものです。
ファスナーは、1891年にアメリカのホイット・コム・ジャドンという人が、靴ひもを結ぶわずらわしさを解決するために考えたもので、これがファスナーの起源とされています。
ズボンや財布などに付いているファスナーは、英語の「スライドファスナー」のこと。
英語でファスナーは、「留め具」を指す言葉。
スライドファスナーは、
アメリカなど英語圏の諸国で「スライドファスナー、ジップファスナー、ジッパー」、日本で「チャック、ファスナー、ジッパー」、イタリアで「キウズーレ・ランボ」、ドイツで「ライスフェアシュルース」、フランスでは「フェルメチュール・ア・グリシェール」、メキシコなどの中米諸国で「シェレス・レランパゴス」、中国・香港・台湾など中国語圏の諸国で「ラーリェン」と呼ばれています。
ファスナーの起源
1891年
アメリカ人ホイット・コム・ジャドンが発明
1893年
ルイス・ウォーカーが参画し、ユニバーサル・ファスナー社(のちのタロン社)設立。ファスナーの製造を開始
1905年
現在のファスナーの原形となる「C-crity型」のファスナーをホイット・コム・ジャドンが開発
1917年までに現在のファスナーの仕様になる
なぜジッパーと呼ばれるのか
ファスナーがジッパーと呼ばれるようになったきっかけは、
1921年にアメリカのグッド・リッジ社が、「ジッパー」と名付けたファスナーを靴につけ製造・販売したから。
ファスナーを閉めるときの「ジーッ」という擬音(ぎおん)の「Zip(ジップ)」から、「ジッパー」と名付けられ、アメリカでその呼び名が定着します。
ジッパーは、もとは、グッド・リッジ社によって商標登録されたファスナーの商品名でした。
ちなみに、リーバイスは1947年にファスナーを採用したモデルを初めて売り出します。
なぜ日本でチャックと呼ばれるのか
日本にファスナーが持ち込まれたのは、第一次大戦中の1917年頃。
欧米から帰国した紳士たちがファスナー付きの財布を持ち帰ったのがはじまり。
1927年
広島県尾道で、日本初のファスナー付きの財布、「チャック印」の製造・販売を開始
布が開閉する「巾着(きんちゃく)」をもじってつけられた「チャック印」の財布は評判となり、
「ファスナー」=「チャック」という呼び名が日本中で定着します。
巾着
ファスナーの世界市場
ファスナー業界の世界一は日本の企業「YKK」。
2020年のファスナー・ジッパー業界の市場規模は約168億ドル。
2026年にかけて年平均4.1%で成長する見込みです。
2019年市場シェア
1位 YKK(日本) 16.7%
2位 SBS(中国) 1.6%
3位 Coats Group(英国) 0.8%