カウチとソファの違いとは。カウチポテトは怠け者!

カウチソファ 話題

カウチの語源は、フランス語の「横たわる」という単語「coucheier」です。アメリカでは病院で患者が横たわる長椅子もカウチと言います。

ソファの語源は、アラビア語の「suffa」です。suffaとは、オスマン・トルコの高官などが、宮廷の謁見の間で使用した椅子のことです。

本来は、接客目的で使用する高級感のある長椅子をソファと言い、プライベートで使う長椅子、寝椅子のことをカウチと言います。

現在の日本では、横たわれるような大きさのゆったりとした長椅子を「カウチソファ」と呼び、居間やホテルのラウンジなどで使用しています。

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カウチとは

本来カウチとは、休憩用の寝椅子で、片側だけに背もたれや肘掛け(ひじかけ)などがついている長椅子です。プライベートで使う長椅子で、あまり高級ではないものをカウチと言います。

日本では、背もたれが一部に付いていて、片方に肘掛がついている長椅子を一般的にカウチと言いますが、ソファと区別せずに「長椅子全般」をカウチということがあります。

ヨーロッパでは現在も、お客様を通す部屋にカウチがあると失礼と思われることがあるので、応接室などかしこまった部屋には、カウチではなくソファを置きます。

アメリカでは、病院で患者が横たるベッドや長椅子のこともカウチと言います。

英英辞典でカウチ(couch)と引くと、カウチは次の意味になります。

1・2人から4人用の座るための家具。背もたれのあるベンチの形をしていて、片側または両側に肘掛けがあるもの。ソファ。

2・一方の端にヘッドレストを備えた長椅子。治療のため精神科医の患者が横たわるもの。

3・ベッドまたはその他の休憩場所。

4・野生動物の巣

5・醸造。

6・製紙。紙シートに乾燥するために置くボードまたはフェルト製ブランケット。

アメリカでは、カウチは時として、「休憩場所」や「野生動物の巣」を指します。日本人が思い浮かべるカウチ以外にも様々な意味でカウチが使われるので、アメリカでカウチを会話で使う時は要注意です。

ソファとは

本来ソファとは、2人から6人用で、背もたれがあり左右に肘掛がついていて、羽毛やウールなどが座部や背もたれなどに詰めてあり、革や布などを張った高級な長椅子のことで、応接室などかしこまった部屋で使用されます。

日本では、2人から3人用で背もたれがあり、左右に肘掛がついている長椅子を一般的にソファと言います。日本にはカウチソファ、ローソファ、ソファベッド、コーナーソファ、リクライニングソファがあります。カウチと区別せずに「長椅子全般」をソファということがあります。

カウチソファとは、横たわれるような大きさのあるゆったりとした長椅子のことを言います。形状に決まりはありません。

ローソファとは、背の低い(座面高の低い)ソファを指します。背もたれや肘掛の有無に決まりはありません。

ソファベッドとは、ソファの背もたれを倒したり、座面を引き出すことで、ベッドとしも使えるソファを指します。座面高や形に決まりはありません。

コーナーソファとは、部屋の角にぴったり置ける、L字型のソファのことを指します。座面高や肘掛の有無に決まりはありません。

リクライニングソファとは、背もたれの角度を調整したり、足掛けを出せるソファを指します。形状に決まりはありません。

英英辞典でソファ(sofa)とひくと、ソファは次の意味になります。

1・背もたれがあり、両側に肘掛がついた、長椅子。

日本人が思い浮かべるソファと、アメリカ人の思い浮かべるソファに、大差はないようです。

カウチポテトは怠け者

カウチポテトは1976年にアメリカで誕生した俗語です。

当時のアメリカで、カウチ(ソファ)に寝そべったまま、テレビを見て動かず、運動不足で太った若者が増え問題になっていました。

そのような時代背景の中で、Tom Iacinoは「何もしないで太った人」をポテト(いも)に例えて、「カウチに寝そべって、テレビを見て動かず、何もしないで太った人」を『カウチポテト』と名づけます。

その後、彼の友人で漫画家のRobert Armstrongが、カウチポテトを図案化したことで、カウチポテトは世に広まります。後に単語『カウチポテト』とその『図柄』はRobert Armstrongによって商標登録されます。

アメリカにおいてカウチポテトは、「何もしないでゴロゴロしている人」や「怠け者」という意味で使われる俗語です。

日本では、1987年ころからカウチポテトは使われます。

日本でカウチポテトは、「カウチ(ソファ)に座って、ポテトチップを食べながら、テレビを見る」という解釈で広まりました。

1987年当時の日本はバブル景気で、地価が異常に高騰し、日経平均株価が史上最高値をつけるなど、日本中が浮かれていた時代です。

1987年の流行語には、カウチポテトの他、朝シャン、地上げ屋、花キン、バブルなどがあります。

レンタルビデオ店が普及し、コンビニエンスストアが全国に広がり、前年にはドラゴンクエストが発売されるなど、このころの日本の若者の一部には、「快適な室内で、ビデオを見たり、ゲームをしたりして過ごすのがカッコイイ」という風潮がありました。

このような時代背景の中で、カウチポテトは日本において「怠け者」とは別の「一人孤独にテレビやビデオを楽しむ人」という意味でも使われるようになりました。

まとめ

日本でカウチポテトは、1987年に流行語になるほど、使われていた言葉です。今では、使うことも聞くこともない死語となっているような気がします。

かつて日本の住宅は畳張りの部屋がほとんどで、椅子などは用いず畳に座布団を敷き、座布団に座る生活をしていました。座卓を囲み食事をとり、一家団欒(いっかだんらん)の時を過ごしていました。

テレビが普及し、住宅が大きくなり、次第に和室(畳敷きの部屋)が減っていき、家族ひとりひとりが自分の部屋を持つようになり、一家団欒の時間は減っていったように思います。

ソファ(カウチ)に座る生活に慣れていなかった日本において、ライフスタイルは大きく変わったようです。

座卓をはさんで向かい合ってコミュニケーションをとっていた日本人にとって、ソファに並んで座ってコミュニケーションをとるのは、苦痛だったのではないでしょうか。

そのため、一緒にいても会話が弾まない、家族が一緒にいる時間が減る、家族でいるのが煩わしい、ということになり、一人でいる時間が長くなる。

ソファ(カウチ)に座る生活が悪いということではありません。ソファに座る生活になって日本人の足が長くなったと言います。ソファに座る生活にそろそろ日本人も馴染んで良い頃です。

ソファにもカウチソファなど様々なタイプのものがあります。自分の生活にあったタイプのソファをえらび、快適な生活を送ることは、とても大切なことです。

一日一度は家族全員が顔を合わせる、一家団欒の時間を家族全員が大切にする。

そうすることで、日本からカウチポテトはいなくなるかも知れませんね。

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