インテリジェンスは英語、インテリはロシア語に由来するカタカナ語です

言葉

インテリはインテリジェンスの略語ではありません。

インテリジェンスは、英語のintelligenceインテリジェンスを由来とするカタカナ語です。

インテリは、ロシア語のинтеллигенцияインテリゲンチャを由来とするカタカナ語です。

インテリジェンスは、「知性」「知能」「知恵」という意味。

インテリは、「知識階級」「知識人」「学問・教養のある人」という意味。

知能指数を意味するIQ(intelligence quotient)のIも、人工知能を意味するAI(artificial intelligence)のIもintelligenceのIです。

インテリジェンスとインテリは、意味も使い方も全く違う語です。

インテリジェンスとインテリの語源と意味、使い方をやさしく詳しく解説します。

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インテリジェンス

インテリジェンスは英語のintelligence(意味:知性・知恵・情報収集・情報分析)を由来とするカタカナ語です。

英語のintelligenceの語源は、ラテン語のinter(意味:~の間)とlego(意味:何かを集める)という語で、この二つの語が組み合わさったものというのが定説です。

日本でインテリジェンスというカタカナ語を使うようになったのは、明治時代といわれています。

※ カタカナ語とは、現在の日本でカタカナで表記される語のこと

インテリジェンスの意味

インテリジェンスはあらゆる分野で使われる語で、ビジネスや情報通信の分野では、他の語と組み合わせて一つの語(複合語)としても使われています。

一語で使う場合の意味

一般的な意味は、「知性」・「知能」・「知恵」

軍事・安全保障の分野での意味は、「情報収集」「情報分析」

複合語の意味

ソーシャルインテリジェンス:人間理解に関する幅広い知識

ビジネスインテリジェンス :組織経営を支援するデータ運用

マーケティングインテリジェンス:市場戦略情報

カウンターインテリジェンス:相手に対抗して行う情報収集

サイバーインテリジェンス :情報通信技術を利用した情報収集

インテリジェンス部門 :情報収集・情報分析部門

使い方・用例

インテリジェンスは一般的に「知性」「知能」「知恵」という意味で使われます

1・インテリジェンスを感じる:知性を感じる

2・インテリジェンスが高い :知性・知能がゆた

3・インテリジェンスが低い :知性・知能にとぼしい

4・インテリジェンスに富む :知性・知能が豊か

5・インテリジェンスに欠ける:知性・知能に乏しい

6・インテリジェンスを生かす:知性と知能を生かす

7・インテリジェンスな機能 :知的な機能

など

インテリ

インテリはロシア語のинтеллигенцияを略したカタカナ語です。

語源のインテリゲンチャは、19世紀の帝政ロシアにおいて、政治的・社会的・文化的な責任を自覚して活躍する知識人層のこと、知識・教養をもった知的労働に携わる知識階級を意味します。

インテリの意味

日本でのインテリの意味は、「知識階級」「知識人」「学問・教養のある人」

社会学者・経済学者・政治学者・経営者など政治的・社会的・経済的な活動をする知識人、漫画家・芸術家・クリエイターなど文化的な活動をする知識人、単に高学歴な人を日本ではインテリと呼びます。

使い方・用例

1・自称インテリ:実体はともあれ自分でインテリと称すること

2・インテリ向け:知識人を的にした

3・インテリ層 :知識人階級

4・インテリぶる:知識人のようにふるまう

5・インテリ芸能人:高学歴の芸能人

など

インテリジェンスとインテリジェントの違い

intelligenceは名詞で、intelligentインテリジェントはこれに対応する形容詞。

インテリジェントの意味は「知的な」「知能の高い」「賢い」

インテリジェントは、日本語では複合語として多く使われています。

インテリジェントの複合語の意味

インテリジェントスクール:最新の科学技術・情報通信技術が利用できる学校

インテリジェントターミナル:ホストコンピューターとの入出力だけでなく、単独でも演算・記憶機能をもつ端末機

インテリジェントデザイン:「知性ある何か」の意図・意志によって宇宙や生命が誕生したとする説

インテリジェントビル :高度なITに対応する環境や最先端のビル管理システムが備わったビル

インテリジェント材料 :材料自らが感じて自らが判断し自動的に適切な行動をおこす材料

まとめ

インテリジェンスとインテリは意味も使い方も違うカタカナ語です。

インテリは、インテリジェンスの略ではなく、ロシア語のインテリゲンチャの略です。

インテリジェンスには、「知性」「知能」「知恵」という意味の他に「情報収集」という意味もあります。

インテリは、「知識階級」「知識人」「学問教養のある人」という意味です。

インテリジェンスが「インテリジェンスな機能」のように「人」以外のものにも使われるのに対して、インテリは「人」にだけ使われる語です。

日本語に「地頭が良い人」という言葉があります。

地頭が良い人とは、その人本来の頭の出来が良いという意味で、考察力や判断力に優れ自ら考え適切な行動にうつせる能力をもっている人のこと。

「地頭の良い人」=「インテリジェンスの高い人」といえそうです。