ままあるの”まま”は、間間です。
間間のように、同一の単語や語根を重ねた語を「畳語」といいます。「喜喜」「知らず知らず」「転転」「泣く泣く」「人人」「我我」などは畳語。
畳語は、意味を強めたり、事物の複数を示したり、動作や作用の反復・継続などを表します。
間間は、間の意味を強めたり、間の作用の反復・継続を表した言葉です。
間間と儘・継の意味の違いと、使い方の違いをわかりやすく解説します。
間間の意味
間間は、「間」を重ねた畳語です。
間は、奈良時代に編纂された古事記にも見られるほど、古くから使われている言葉(語)です。
間の意味
①空間的な間隔: 物と物とのあいだの空間・部屋・建物の柱と柱のあいだ
②時間的な間隔: あいだの時間(まもなく・まだ間がある)・ことが継続してるあいだの時間(寝る間・つかの間)・リズム・テンポ(間のとり方がうまい)・台詞と台詞の間の無言の時間・ほどよいころあい。しおどき(間をうかがう)
③その場の雰囲気。その場の様子
④部屋の数の数え方。
⑤建物や部屋の広さ。
⑥長さの単位(江戸時代に、1間=6尺と定める)
⑦船の泊まるところ
間間の意味
①ときどき・まれに
間間は、かつては、空間的な間隔、時間的な間隔を意味する言葉として用いられましたが、現在は、空間的な間隔を意味する言葉として使われることはほとんどなく、時間的な間隔を意味する言葉として用いられます。
間間あるは、「ときどきある」「まれにある」という意味です。
間間と発音の似た言葉に「まあまあ」があります。
「まあまあ」の意味は、「十分に満足ではないけど、一応は満足できる程度。まずまず(まあまあの出来)」「相手をなだめたり、制止したりするときにつかう(まあまあ、そう言わずに)」
発音はにているけど、意味はまるっきり違います。
用例
忘れることも間間あるさ。
飲みに行くことも間間あります。
一人で食べることが間間ありました。
まま(儘)の意味
まま(儘)は、「まにま」が転じた言葉で、古くは、枕草子や源氏物語などに、その言葉が用いられています。
まま(儘)は、口語で「まんま」ということがあります。
まにまの意味は、「まにまに」と同じ意味です。
まにまにの意味
そのままに任せるさま。成り行きに任せるさま。(波のまにまにただよう。紅葉のにしき神のまにまに)
まま(儘)の意味
①成り行きにしたがうこと。そのままに任せるさま。
②思い通りであること。
③元のとおり。変化や変更が加わらない状態であること。
④どうであろうと気にしないさま。
⑤書物などの校訂・校正で、「原文どおり」の意を示す語(普通はママと記す)。
おもに①②③の意味で使われます。
用例
①の意味:されるがままになる。あるがままの姿
②の意味:思いのままにあやつる。話すこともままならない
③の意味:見たままを話す。昔のままの風景。届いたままの状態
まま(継)の意味
まま(継)は、継母、継子、継親、など、名詞の上について、1つの言葉をつくる接頭語です。
まま(継)の意味
①親子の親族関係はあるけど、親子としての血縁関係のない間柄。
②兄弟・姉妹の関係はあるが、父または母のちがう間柄
用例
①の意味:継親。継父。継母。継子
②の意味:継兄。継妹
まとめ
間間の意味は、「ときどき・まれに」で、「間間ある」の形で使われます。
儘の意味は、「成り行きにしたがうこと・思い通りであること・元のとおり」、されるがままに・思いのままに・見たままをのような用い方をします。
継の意味は、「血縁関係のない家族」、接頭語なので、継母・継子のように必ず名詞の上について使われます。
ちなみに、ままごとの「まま」は飯、ままごとは「飯事」です。