びっくらこくは「びっくりする」、へをこくは「オナラをする」、しかとこくは「無視する」という意味。
こく(放く)は、北海道・関西の方言と思われがちですが共通語です。
びっくらを方言とする人もいるようですが、びっくらは、1977年に放送されていたクイズ番組「びっくらドン!」、かつてバンダイが発売していたマスコット入り入浴剤「びっくら?たまごポケットモンスター」など、番組名や商品名などにも使われる共通語です。
こくの意味と正しい使い方をわかりやすく解説します。
こく(放く)の意味
こくは、北海道や関西で多く使われる言葉で方言と思われがちだけれど、あのねのねが「魚屋のおっさんの唄」で”魚屋のおっさんがへをこいた。ブリっ”と歌っていたほど、一般的につかわれる共通語です。
びっくらこく・へをこく・しかとこくの「こく」を漢字で書くと「放く」。
もともと、放くの意味は、[体内にあるものを体外に出す(口やお尻などからものを出す)]という意味でつかわれていた下品な言葉。
いつしか、こくの意味はひろがっていき、いまでは「言う」「のる」ということを、さげすんでいう言葉として使われるようになります。
「こく(放く)」の意味
① する
② 言う
③ のる
こく(放く)の正しい使い方
するの意味での正しい使い方と用例
こくの意味でもっとも多くつかわれるのが「する」という意味。
びっくらこく・へをこく・しかとこく・いい年こく・失礼こく・損こく・暇こく・・・リーマンこいてる(女性セブン/2008.9.11)なんて使い方もできます。
びっくらこく
意味)びっくりする
用例)なまら、びっくらこいた。:すごくびっくりした
へをこく
意味)オナラをする
用例)へぇこくなや。:オナラをしないでください
しかとこく
意味)無視する
用例)しかとこいてんじゃねぇよ!:無視してるんじゃねぇよ!
いい年こく
意味)いい年して
用例)いい年こいて、なにやってるの?:いい年して、なにをやってるの?
失礼こく
意味)失礼する
用例)失礼こきました:失礼いたしました
損こく
意味)損する
用例)損こいたー!:損したー!
暇こく
意味)暇してる(さぼる)
用例)暇こいてんじゃねぇよ!:暇して(さぼって)んじゃねぇよ!
言うの意味での正しい使い方と用例
放くの意味がひろがって、言うという意味でも使われるようになりました。
嘘をこく・バカこく・くだをこく・・・
嘘をこく
意味)嘘を言う・嘘をつく
用例)この嘘こきが!:この嘘つきが!
バカこく
意味)バカなことを言う
用例)バカこくな!:バカなことを言うな!
くだをこく
意味)余計なことを言う
用例)くだばっかりこいてないで:余計なことばかり言ってないで
のるの意味での正しい使い方と用例
乗り物にのるのではなく、「調子にのる」に限って使われます。
調子こく
意味)調子に乗る・いきがる
用例)調子こいてんじゃねぇよ!:調子にのって(いきがって)んじゃねぇよ!
まとめ
こくを漢字で書くと「放く」。
こくは、方言じゃなく共通語です。
意味は、する・言う・のる。
北海道にすんでいると、「調子こいてんじゃねぇ」とか「なまら、損こいた」、「びっくらこくべや」、「嘘こけ(嘘つけの意味)」なんてよく使うけど、意外と一般的に○○こくって使わないようで、北海道や関西の方言と思っている方も多いようです。
こくは、もともと下品な言葉で、いまでも、さげすんだり、見下げたりする時に使われる言葉で、あまり良い印象の言葉でありません。
こくを使う時は、相手・状況・立場などをよく考えて使いましょう。
大切な会議で、「失礼こきました」なんて言うと、人間性を疑われるかも知れませんよ。