マスクの着用はインフルエンザウイルスやコロナウイルスによるウイルス感染症に効果があるのか?
厚生労働省では、コロナウイ感染症対策のマスクの効果について、
「(略)咳やくしゃみ等の症状のある人は積極的マスクをつけましょう。(略)屋外などでは、相当混み合っていない限り、マスクを着用することによる効果はあまり認められていません。(略)」としています。
政府の見解として、ウイルスに感染している人・感染している疑いのある人がマスクを着用することは、感染を広めないために必要だけど、かかっていない人は混雑したところに行かなければ、マスクを着用してもあまり効果がないということです。
不織布(ふしょくふ)製マスクのほとんどは中国製で、「99%カット」「空気中の微粒子を99%カット」と表示されているマスクがありますが、それらはすべて各社の試験による表示で、公的な機関の審査をうけているわけではありません。
「マスクを着用しても、完全にウイルスをカットできない」・「ウイルスに感染してる人、もしくは感染してる疑いのある人は、マスクを着用する必要がある」ということは、すべての専門機関・専門家で同じ見解ですが、感染していない人については、マスク着用は必要か?必要ないのか?専門家の見解は分かれています。
健康な人はマスク着用の必要はないという見解
マスク着用は、自らの口から飛びちるつばなどのしぶき(飛沫)で感染を広めないために必要で、自らが病原菌をうつされないようにするためではない。
政府を含む多くの専門機関・専門家が、「ウイルスに感染していない人で、混雑したところに行かない人に限り、マスクは必要ない」という見解を明らかにしています。
ただし、感染症の症状のある人・その疑いのある人に接近(約2m以内に近づく)する場合は、マスクは必要としています。
厚生労働省の見解
「一人一人ができる新型コロナウイルス感染症対策は?」という題目で、マスク着用について次のように述べています。
* マスクの着用は
マスクは、咳やくしゃみによる飛沫及びそれらに含まれるウイルス等病原体の飛散を防ぐ効果が高いとされています。咳やくしゃみ等の症状のある人は積極的にマスクをつけましょう。
一方で、予防用にマスクを着用することは、混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防と考えられますが、屋外などでは、相当混み合っていない限り、マスクを着用することによる効果はあまり認められていません。
咳や発熱などの症状のある人に近づかない、人混みの多い場所に行かない、手指を清潔に保つといった感染予防を優先して行いましょう。
新型インフルエンザ専門家会議の見解
「新型インフルエンザ流行時の日常生活におけるマスク使用の考え方」という題目で、マスク着用について次のように述べています。
要約
1.症状のある人が、咳・くしゃみによる飛沫の飛散を防ぐために不織布(ふしょくふ)製マスクを積極的に着用することが推奨される。
2.不織布製マスクのフィルターに環境中のウイルスを含んだ飛沫がある程度は捕捉されるが、感染していない健康な人が、不織布製マスクを着用することで飛沫を完全に捕捉することは出来ない。よって、咳や発熱などの症状のある人には近寄らない(2メートル以内)、流行時には人混みの多い場所に行かない、手指を清潔に保つ、といった感染予防を優先して実施することが推奨される。
3.不織布製マスクのほとんどは諸外国で生産され、輸入されているため、新型インフルエンザ流行前に準備しておくことが推奨される。流行期間に応じたある程度の不織布製マスクの備蓄を推奨する。
国立感染症研究所の見解
「飛沫予防に適切なマスク」という題目で、マスク着用について次のように述べています。
*一般的には不織布製マスクのでOK~N95マスクを一般の方が装着する必要はなし
・症状のある人にマスクを!
・症状を呈している人に接近(約2m以内に近づく場合)する際にはマスクを着用
健康な人でもマスク着用は必要(効果的)とする見解
ウイルスに感染している人・感染している疑いのある人がマスクを着用することは、感染を広めないために必要としたうえで、
マスクの着用で、ウイルスを吸い込む量を減らし、ウイルスを増やしにくくする効果がある。
企業などの専門家・一部の医療関係者は、「健康な人でも、マスクを着用することによる予防効果は、ある程度は期待できる」という見解を明らかにしています。
ただし、マスクもすることでより予防効果が高まるということで、「マスク着用だけでは不十分」としています。
エーザイ/ウイルス・菌対策研究所の見解
「ウイルス・菌を防ぐマスクの正しい使い方」という題目で、マスク着用について次のように述べています。
(略)マスクには、咳やくしゃみの飛沫の飛散を防いだり、飛沫やほこり等の粒子をキャッチして体内に侵入することを制御する働きがあります。
主な家庭用マスクには、不織布製マスクとガーゼマスクの2種類がありますが、フィルターの性能を考えると、ウイルス・菌を防ぐためには不織布製マスクの使用がすすめられます。(略)
株式会社meijiの見解
「マスクをすれば防げる?防げない?」という題目で、マスク着用について次のように述べています。
(略)一般的に売られている使い捨てマスクのなかでは不織布製マスクを選ぶのが良いでしょう。
ただ、ガーゼマスクだったとしても全く効果がないかというと、そういうわけではありません。
インフルエンザウイルスは時として唾液などにくっついて浮遊していることもありますので、ガーゼマスクでも吸い込む量を減らす効果はあるでしょう。また、マスクによって鼻や口を保温・保湿すると、温度が低く乾燥した環境が好きなインフルエンザウイルスを増やしにくくする効果も期待できます。
もっとも多い見解
1.ウイルスそのものはブロックできないが、ウイルスが混入した飛沫は防げる。
2.屋外でも、マスクの中の温度と湿度が保たれ、粘膜の潤いを保つことができるのでウイルスへの防御力を高めることができる。
99%カットのマスクは公的な審査を経ていない
マスクのパッケージでよく目にする「99%カット」「高性能」「高品質」という表示。
「高性能」・「高品質」は、ウイルスの防御率を意味しているわけではなく、肌に優しい・耳が痛くない・柔らかい・つけ心地が良いという意味。
「99%カット」は、ウイルスの防御率を示してはいるものの、公的な機関の審査を経ているわけでなく、各社の試験に基づいた表示で、基準は一般社団法人日本衛生材料工業連合会によるもの(同連合会・発表)。
*一般社団法人とは、「非営利法人」で、必ずしも「公益的な事業」を行っているわけではありません。
表示に偽りはなくても、多くの人が意味を取り違えていたり、誤認しているようです。
ほとんどのマスクは中国製
日本で売られているマスクのほとんどは中国製です。
中国で生産したものを、日本の企業が輸入し販売しています。ほとんどのマスクにはMADE IN CHINA 、発売元 株式会社○○または○○株式会社と表示されています。
サーズ(SARS:コロナウイルスによる感染症)や新型コロナウイルス感染症は中国ではじまりました。
中国で生産されているマスクは、日本以上に中国での需要がたかく、日本での品不足も心配です。くわえて中国で生産されているマスクにウイルスが付着していないかというのも気がかりです。
まとめ
マスクはウイルスに感染している人が、周りに広めないために効果的で、感染してる人・感染している疑いのある人は、必ず着用した方が良い。
感染症を予防するには、マスクの着用より、人混みの多い場所に行かない・手指を清潔にすることを優先したほうが効果的。
感染していない人で健康な人が、マスクをする必要があるのか?ないのか?ということで専門家によって見解は分かれますが、どうしても人混みの多い場所に出かけなければいけない場合は、マスクをした方が良い。
マスクの表示99%カットは公的な機関の審査を受けていないので、過信すると危険。
マスクのほとんどは中国製で、日本での品不足や、製造過程においてウイルスがマスクに付着していないか心配。
咳や発熱の症状がある人でマスクをしていない人がいたらマスクの着用を勧めるべき。すべての専門機関・専門家が、マスク着用は感染のかくさんの予防になるとしています。
個人的には、咳・くしゃみ・発熱の症状が出ない限り、マスクの着用は避けたいと思っています。
健康なあなたは、マスクを着用して外出しますか?着用しないで出かけますか?