「第六感」「直感」「虫の知らせ」「やまかん」の違い~それぞれの意味と用例・英語訳

第六感 言葉

動物が皆もっているとされる、神秘的な心のはたらきを「第六感」、感覚的に心でただちに感じることを「直感」、根拠は何もないけど何となく心に感じる悪い予感を「虫の知らせ」、なんの根拠もない当てずっぽうを「やまかん」と言います。

第六感は英語で【sixth sense】、直感は英語で【intuition】、虫の知らせは英語で【premonition】、やまかんは英語で【speculation(口語ではspec)】、英語でもそれぞれ違う語になります。

「第六感」「直感」は良い出来事を感じるときも、悪い出来事を感じるときも用いられます。「虫の知らせ」は悪い出来事を感じるときに用いられます。「やまかん」は一か八か(いちかばちか)の勘(かん)に用いられます。

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第六感【sixth sense】とは

第六感とは、身体にそなわった五感(視・聴・嗅・味・蝕の五つの感覚)の他にあるとされる感覚で、物事の本質を鋭く感じとる心の働きです。

誰しもが、もっているはずだけど、敏感に感じる人とそうでない人がいて、五感で感じることができない、理屈で説明できる感覚ではありません。

近年、第六感は「地磁気」を感じる感覚、という説が流布しています。

動物は人間より「地磁気」を感じる感覚が鋭く、「第六感」によって危険を察知したり、食べ物を探したりしています。

大きな地震が近づいたりすると、カラスが騒いだり、ペットの犬や猫が落ち着きがなくなったり、押し入れに入って出てこなくなったり、魚が沖に移動したりするのは、動物が「第六感」で行動するからという説です。

用例

1・「第六感」を信じて、財宝を掘り当てた。

2・彼女がどこにいるのか「第六感」でわかった。

3・「第六感」を働かせて、難を逃れた。

直感【intuition】とは

直感とは、説明や証明、考察によらずに、瞬時に物事の真相を心で感じることです。

直感の「直(ちょく)」には、[間をおかないこと]のほかに[安直]という意味があります。

安直の意味は、[値段が安い。安易なさま。手軽なさま]です。

直感とは、ときに『いい加減な勘』を意味します。

「第六感」は、生まれた時からそなわっている神秘的な感覚で絶対に外れることのない勘です。一方、直感は瞬間的に心で感じることで、外れることのある勘です。

用例

1・「直感」が当たって、競馬で儲けた。

2・彼女と結婚することを「直感」的に知った。

3・「直感」を信じて、お金を預けたら詐欺だった。

虫の知らせ【premonition 】とは

虫の知らせとは、なんの根拠もなく、悪い予感がすること。根拠はないけど、良くない出来事が起こりそうと心で感じることです。

虫の知らせの「虫」には、[昆虫の総称]のほかに[潜在(せんざい)する意識]という意味があります。

『表面に現れない人間の意識による知らせ』を心で感じることを「虫の知らせ」といいます。

「第六感」は、人間がもともと持っている感覚ですが、「虫の知らせ」は、経験によって積み重ねられた潜在する意識によって心が感じることです。

「直感」は、何にもよらず瞬時に心で感じる勘ですが、「虫の知らせ」は、不思議な夢とか、自分や他人がとった妙な行動などによって心が感じることです。

用例

1・「虫の知らせ」で、彼の事故を知った。

2・昨日みた夢は、この不幸な出来事の「虫の知らせ」だった。

やまかん【speclation ; spec】とは

やまかん(山勘)とは、勘で山をかけることで、[あてずっぽう]のことです。また「やまかん」には、山師のように人をごまかす行いという意味もあります。

やまかんの「山」には、[平地より高い所。山岳]のほかに[万一を願ってすること]という意味があります。

山師の仕事のように、『一か八か(いちかばちか)、万一を願っての勘』を「やまかん」といいます。

「第六感」「直感」「虫の知らせ」は、心で感じる勘です。一方、「やまかん」は、こころで感じる勘ではなく、自分の利益につながることを前提に考えた予想です。

「やまかん」は、[あてずっぽう]と[人をごまかす]という意味をもつ、胡散臭い(うさんくさい)、いい加減な勘です。

用例

1・「やまかん」で、財宝を掘り当てた。

2・「やまかん」をかけて受験したが、不合格だった。

3・彼の「やまかん」は、当たったことがない。

まとめ

試験の前日に、あわてて教科書をひらいて、やまをかけて見事に的中して予想外の良い点数がとれた。

これは、「第六感」「直感」「虫の知らせ」「やまかん」、どの勘が働いたものなのか、正確に判断することはとても難しいことです。*試験は「良くない出来事」です*

なにも考えずに教科書をながめていて「ここが出るぞ」って心が感じたら、それは「第六感」あるいは「直感」かも知れません。授業を受けていて「ここが出そう」ということが潜在意識にあればそれは「虫の知らせ」かも知れません。一か八か、やけくそで「ここが出る」と予想したなら、それは「やまかん」です。

第六感は誰もがもっている感覚らしいので、試験を受ける全員が「第六感」を働かせると、常に全員が満点になるはずですよね。

だけど実際は、そうならない。

人類は、自分を守るために「第六感」を捨てたと思われます。

鋭い「第六感」を全員がもっていて、他人の考えや行動の全て、自分の未来や他人の未来が分かったとしたら、上手にコミュニケーションをとることができずに、人類は滅亡していたことでしょう。

なぜ人類が、多くの動物が残した災難を察知する「第六感」も捨ててしまったのかは不明です。

「直感」は、人類が捨てた「第六感」の名残なのかも知れませんね。

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