日本では、苺やメロン、スイカは、野菜(果実的野菜)です。
アメリカでは、苺やメロン、スイカは果物です。
フランスなどヨーロッパのほとんどの国では、苺やメロン、スイカは果物です。
多くの国で果物として扱われる、苺やメロン、スイカは、なぜ日本では野菜なのか?
苺に関する雑学と、日本で苺が野菜に分類される理由をわかりやすく解説します。
苺はなぜ野菜なのか?(野菜と果物のちがい)
日本の農林水産省では、野菜と果物について、以下のような定義づけをしています。
野菜とは草本作物のこと。
草本作物とは、田畑に栽培され、地上の部分が木でなく1年から数年で枯れる植物(草本植物)で、加工を前提としない、食用として作られるものです。
果物は食用となる果実のこと。
果実とは、おおむね2年以上栽培する果樹(草本植物および木本植物)の実で、なかに種があるもの。
苺やメロン、スイカなどは、1年生(1年で枯れる)の草本作物なので野菜。実際は果物と同じように食べられているので「果実的野菜」とも呼ばれています。
栗や梅などは、食用となる果実なので果物。
(参考:農林水産省)
苺の表面のツブツブは果実
苺の表面にあるゴマのようなツブツブは種ではありません。
ツブツブの一粒一粒が果実です。
一粒一粒すべての中に、たねが入っています。
普通に食べている赤い部分は、茎の先端の花がつく軸の部分。
苺一つに、おおよそ200個から300個の果実がついています。
苺は先端部から熟していくので、ヘタの部分より先端の方が甘くなります。
甘い部分から食べたい人は先端から、酸味の強い部分から食べたい人はヘタのほうから、甘みと酸味の両方を一度に楽しみたい人は一口で食べると良いでしょう。
アメリカなど多くの国では、「果物は種のある子房が熟し実となったもの」としているので、苺やメロン、スイカは果物として扱われています。
苺はビタミンCが豊富
苺にはビタミンC、葉酸(ビタミンB群)が豊富に含まれています。
苺の成分(可食部100mgあたり)
エネルギー・・・34Kcal
水分 ・・・90.0g
炭水化物 ・・・8.5g
ビタミンC ・・・62mg
葉酸 ・・・90μg
食物繊維 ・・・1.4g
参照:文部科学省「日本食品標準成分表2015年度版(七訂)」
ビタミンCが豊富な食材BEST10(可食部100gあたり)
1:赤ピーマン ・・・・・170mg
2:パセリ ・・・・・・・120mg
3:カリフラワー ・・・・81mg
4:緑ピーマン ・・・・・76mg
5:甘柿 ・・・・・・・70mg
6:キウイ ・・・・・・・69mg
7:モロヘイヤ ・・・・・65mg
8:いちご ・・・・・・・62mg
9:ほうれん草(冬)・・・60mg
9:オレンジ ・・・・・・60mg
9:さやえんどう ・・・・60mg
12:茹でブロッコリー ・・54mg
苺の生産TOP10
苺が日本で食べられるようになったのは、江戸末期1830年代といわれています。
オランダから持ち込まれたのが始まりで、その後、欧米からさまざまな種類の苺の種苗がもちこまれました。
現在、苺は日本全国で生産され、日本では約300種の苺が生産されています。
栃木県
苺の生産 第1位
おもに生産している苺:とちおとめ・とちひめ・スカイベリー
いちご狩りのBESTシーズン:12月から5月上旬
福岡県
苺の生産 第2位
おもに生産している苺:あまおう・紅ほっぺ・かおりの
いちご狩りのBESTシーズン:12月から5月
熊本県
苺の生産 第3位
おもに生産している苺:ゆうべに・ひのしずく・紅ほっぺ
いちご狩りのBESTシーズン:12月から5月
静岡県
苺の生産 第4位
おもに生産している苺:紅ほっぺ・きらび香・あきひめ
いちご狩りのBESTシーズン:12月下旬から5月上旬
長崎県
苺の生産 第5位
おもに生産している苺:ゆめのか・とよのか
いちご狩りのBESTシーズン:12月下旬から5月上旬
愛知県
苺の生産 第6位
おもに生産している苺:紅ほっぺ・あきひめ・ゆめのか
いちご狩りのBESTシーズン:1月から5月上旬
茨城県
苺の生産 第7位
おもに生産している苺:とちおとめ・いばらキッス
いちご狩りのBESTシーズン:1月から5月中旬
佐賀県
苺の生産 第8位
おもに生産している苺:いちごさん・さがほのか
いちご狩りのBESTシーズン:1月から5月上旬
千葉県
苺の生産 第9位
おもに生産している苺:とちおとめ・あきひめ
いちご狩りのBESTシーズン:1月から5月上旬
宮城県
苺の生産 第10位
おもに生産している苺:もういっこ・とちおとめ
いちご狩りのBESTシーズン:1月から6月上旬
まとめ
苺は、国によって、果物、野菜の区別が分かれます。
日本で、苺は野菜(果実的野菜)です。
日本では約300種の苺が栽培されていて、世界全体の半分以上が日本のものという説もあります。
苺はビタミンCや葉酸が豊富で、そのまま食べても、ジャムなどに加工してもとても美味しい野菜です。
北海道でも栽培していますが、スーパーマーケットなどでは、道産のものより九州・本州産のものの方が多く並んでいます。
個人的には、いちご=高級というイメージがありますが、年に数回、むしょうに苺が食べたくなり、そのときは、1パックを一人で食べてしまいます。
どんどん品種改良がすすんで、安価で美味しい苺が、年中店頭に並ぶようになると良いですね。