すててことステテコに明確な違いはありませんが、
すててこは昭和期まで流行したもの、ステテコは平成中期頃から流行しているもの、というイメージで使い分けされることが多いようです。
すててこは、
男性用の下着にもなるズボン。
膝下までの長さで、うすい布地で作られた、肌にくっつかない「ゆったり」とした穿き心地のもので、色は「白」または「アイボリー(ベージュ)」。
おもに、夏に穿く(はく)もので、
昭和期には、
真っ白な「ダボシャツ」に真っ白な「すててこ」といったスタイルで、公園のベンチに座りタバコを吸うオッサンを見ることができました。
今どきのお年寄りの中には、夏冬問わず、「下着のパンツ」の上に「ももひき」を穿き、その上に「すててこ」、そして「ズボン」という人もいます。
ステテコは、
性別を問わず穿ける、下着にもなるズボン。
膝下までの長さで、しっかりした布地で作られた、ゆったりとしたものやピッタリしたものもありスタイルに決まりはなく、色のバリエーションは豊富。
おもに、夏に穿くもので、デザイン性が高い。
下着として利用する人は少なく、部屋着、パジャマ、近くのコンビニとかへのちょっとした買い物時の外出着として利用する人が多いようです。
すててこのルーツ、なぜ「すててこ」と呼ばれるようになったのか?、ステテコの発祥について紹介させていただきます。
すててことのルーツ
すててこのルーツは「股引(ももひき)」です。
「すててこ」という名称の由来には
「すててこ踊り」に由来するとする説。股引の長さに由来するとする説。2つの説があります。
股引は、室町時代から穿かれている肌着の一種。
股引は、袴(はかま)が変化して、できたもの。室町時代には「ももはばぎ」とよばれていて、それが音変化して「ももひき」と呼ばれるようになったといわれています。
はじめ股引は、小者や下級武士が着用していましたが、利便性のよさからじょじょに広まっていきます。
江戸末期になると、職人の常用着・作業着として流行し、絹(きぬ)製のものは「パッチ」と呼ばれるようになりました。
明治時代になっても、防寒用の肌着、常用着、作業着として多くの人が利用します。
さて「すててこ」の起こりは?といいますと
すててこ踊りに由来する説
明治時代に、庶民のあいだで、「あぁ すててこ てんてこ てんとんとん 」という滑稽(こっけい)な”うた”にあわせて踊る「すててこ踊り」が流行します。
その火付け役となったのが、落語家 初代 三遊亭圓遊。
明治13年頃、寄席で、「あぁ すててこ てんてん・・・」と歌い、「すててこ踊り」を披露します。
そのとき、ゆったりとした「股引」を穿いていて、
それが客に見えていて、すててこ踊りのときに穿く肌着だから
「すててこ」ってことになり、
世に広まり「すててこ」という名称の肌着が誕生したとする説です。
肌着の長さに由来する説
いつ頃のことか分りませんが、
着物の下に穿いていた下着(股引)の丈(たけ)が長く、見えることを気にする人が多くいました。
下着を見えなくするにはどうしたら良いか?
「下着を切って、短くすれば良いんじゃない」ということになって、
下着の生地(きじ)を切って、「すてて」しまいます。
(生地を)すてた下着だから「すててこ」になったとする説です。
ステテコの発祥
ステテコは”すててこ”がもとになって誕生した、おしゃれな”すててこ”です。
2008年(平成20年)肌着メーカーのasが、「steteco.com(ステテコドットコム)」を立ち上げる。
デザイン性の高い「ステテコ」は、若者にも受け入れられ、人気が拡大する。
2011年(平成23年)衣料品メーカーのワコールが、女子のためのステテコ「女子テコ」を発売。
デザイン性が高く、下着・部屋着・ちょっとした買い物に、楽に着られることで、女子のあいだで人気に。
2013年(平成25年)アパレルメーカーのユニクロが女性用のステテコ「リラコ(Relax & Comfort Pants)」を発売。
女子のあいだで、ステテコが流行し、ステテコは、性別問わず、注目されるようになります。