北海道の方言でタクシーのことを『とんしゃ』といいます。
なぜ、とんしゃというのか?諸説ありますが、どれもこれも納得できる根拠にかけています。
そもそも北海道では、ハイヤーとタクシーを区別しません。タクシーもハイヤーも『とんしゃ』と呼びます。
私の子供のころは、街を流しているタクシーを見たことがありません。タクシーは、タクシー会社の車庫に待機していて、客から呼ばれると、客を迎えに行くのが当たり前だと思っていました。
今でも、地方のタクシーは街をながさずに、会社で待機しています。タクシーというよりは、ハイヤーです。
なぜタクシーをとんしゃと呼ぶのか?
北海道では、タクシーとハイヤーを区別しません。
かつて北海道では、タクシーもハイヤーも利用するときは”呼び出す”のが当たり前でした。どこにいても呼び出し可能なタクシー無線が日本で初めて運用(昭和28年)されたのは、札幌のタクシーです。
呼び出して利用するので、昭和中期ころの北海道のタクシーは、タクシーというよりは、ハイヤーに近い感じでした。今でも北海道の地方の小さな街では、タクシーは会社で待機しています。
ちなみに、ハイヤーは完全予約制で営業所から派遣する運転手付きの乗用車で、タクシーは街中で旅客を乗せ所定の料金をとる営業用自動車です。
なぜ北海道でタクシーをとんしゃと呼ぶのか?ここからは、私の想像です。
自分の子供をへりくだって言うとき「うちの豚児(とんじ)が・・・」なんてお年寄りは言いますよね。
それと同じように、あるタクシーの運転手が、自分の乗っているタクシーをへりくだって「うちの、豚車(とんしゃ)をご利用頂きありがとうございます」なんて言って、
それを聞いた初めてタクシーを利用した若者が、タクシー通はタクシーを『とんしゃ』と呼ぶんだと勘違いし、
友人や知人に「タクシー通は、タクシーを『とんしゃ』というんだ」と、自慢げに言いふらしました。
それを聞いたタクシーに馴染みのない若者達が「タクシー通は、タクシーを『とんしゃ』というんだ」と自慢げに言いふらし、
全道に「タクシー=とんしゃ」が浸透してしまいました。
タクシー=とんしゃ諸説
なぜ、道民はタクシーをとんしゃと呼ぶのか?諸説あるけど、説得力のある根拠のない説ばかりです。
説得力はないし根拠もないけど、一般的によく言われている説には次のような説があります。
1・とんしゃ=頓車という説
頓車の「頓」には「急きょ」「突然」という意味があり、頓車(とんしゃ)は「急きょ使う車」「突然使う車」という意味とする説です。
2・重量が1tなのでトン車とする説
タクシーの車両重量がほぼ1tなので、タクシーをとんしゃと呼ぶとする説です。トラックは積載量で「2トン車」「4トン車」と呼びます。
まとめ
北海道には、独特の方言や風習があります。
「タクシー」を「とんしゃ」と呼んだり、「~する」を「こく」と言ったり、「たくさん」を「がっぱり」と言ったり、「タバコ」を「もや」と呼んだりします。
私の記憶が正しければ、「タクシー」を「とんしゃ」と呼んでいたのは、若者にかぎられていたように思います。
タクシーを「とんしゃ」と呼んでいたころから、?年経過してオッサンとなった現在、私はタクシーはタクシーと呼んで、とんしゃとは言いません。
なぜ、タクシーをとんしゃと呼ぶのか?諸説ありますが、どれも説得力もなければ根拠もない説ばかりです。
いつの時代も、若者が作り出す言葉には、これといった根拠がありません。
とんしゃも、”若者が作り出し流行させた言葉”、だったように思えてなりません。