「つっぺ」「つっぺかう」は、北海道の方言です。
「つっぺ」は、ふつう、「つっぺ」かう・「つっぺ」する・「つっぺ」かっとけ・「つっぺ」すれ、のように後ろに動詞をつけて用います。
「つっぺかう」「つっぺする」の意味は
漏れないように穴や隙間に”なにか”をつめるてふさぐ
引き戸などが、開かないようにする
こんな時、こんなふうに、「つっぺかう」「つっぺする」は使われます。
鼻血・鼻水の対応で
子供:「鼻血がでて止まんない」「なんとかして!」
親 :「つっぺかっとけ」
この場合の「つっぺかっとけ」は、
”ティッシュでも丸めて、鼻につっこんどけ”
という意味。
※「なんとかして!」は、「どうにかして!」という意味。
水漏れへの対応で
A:「この穴から、ポタポタ漏ってんだ」「どうすっぺ?」
B:「とりあえず、つっぺしとけや」
この場合の「つっぺしとけや」は、
”なんか(なんでもいいから)つめて、漏れないようにしとけ”
という意味。
※「どうすっぺ?」は、「どうしようか?」という意味。
戸への対応で
A:「家が傾いてるから、勝手に戸が開くのさ」「どもならんべか?」
B:「つっぺかうしかないべ」
この場合の「つっぺかうしかないべ」は、
”つっかい棒でささえるしか方法がないんじゃない”
という意味。
※「どもならんべか?」は、「どうにかならないかな?」という意味
山口県にも「つっぺ」という方言がありますが、こちらは、「同じ」とか「引き分け」という意味。
どのようにして、北海道弁の「つっぺ」が生まれたのか?語源には諸説あり、どれももっともらしいけど、本当のところ、どれが正しい説なのか?わかっていません。
「つっぺ」が生まれた語源の諸説を紹介させていただきます。
語源説「詰める(つめる)」+「っぺ」
つっぺは、「つめるっぺ」が短縮されてできた言葉とする説です。
北海道の方言で「っぺ」はよくつかわれます。
~すっぺ。の意味は、~する。~しようよ。
「つめる」には
すき間がないようにふさぐ。ものをすき間に入れて開かないようにする。
という意味があります。
「つめるっぺ」は「詰める」+「っぺ」で、意味は
ふさぐ。開かないようにする。
じょじょに広い意味でつかわれるようになって、現在のような使われ方が定着しました。
語源説「支える(つかえる)」+「っぺ」
つっぺは、「つかえるっぺ」が短縮されてできた言葉とする説です。
北海道の方言で「っぺ」はよくつかわれます。
~すっぺ。の意味は、~する。~しようよ。
「支える(つかえる)」には、
途中がつまって流れが止まる。先に進めなくなる。
という意味があります。
「つかえるっぺ」は「つかえる」+「っぺ」で、意味は、
止める。進めなくなる
じょじょに広い意味でつかわれるようになって、現在のような使われ方が定着しました。
語源説「つめる」+「先(さき)っぺ」
先っぺになにかをつめることで、漏れをとめたり、動きをとめる、ことを表現するするためにできた言葉とする説です。
じょじょに広い意味でつかわれるようになって、現在のような使われ方が定着しました。
※先っぺは、北海道の方言で、さきっちょ。突き出た部分の端。行く先、という意味。