電車は、線路を走る電気モーターで動く列車で、汽車は線路を走る蒸気で動く列車です。
列車は、線路を走っています。
列車は、人や物を運ぶ車両で、なにで動いているか?なん両で走っているか?は関係ありません、1両で走っていても列車です。
列車には、電車、汽車のほかにディーゼルエンジンで動くディーゼル機関車があります。
ディーゼル機関車は、電気も蒸気も使わないので、電車でも汽車でもありません。
ディーゼル機関車は、ディーゼルエンジンで動く列車で、「ディーゼル」とか「れっしゃ」と呼ばれています。
電車と汽車と列車のちがいを、小学生にもわかるように、くわしく、やさしく説明します。
電車は電気モーターで動く
電車は、電気モーターで動く列車です。
電車は、線路のうえの方にある電線(架線:かせん)や線路の横の方にある電気の通ったレールから、電気を取り入れてモーターを回して動きます。
現在、日本で走っている列車のほとんどは、電車です。
札幌の地下鉄は、線路はありませんが、きめられた専用の通路を走っているので列車で、電気の力で動いているので電車です。
札幌の地下鉄は、世界でも珍しい、ゴムタイヤで走る電車です。ゴムタイヤを使っているので、静かで、乗り心地のいい電車です。
道路に線路をしいてその上を走っている路面電車は一両で走っているけど列車で、電気の力で動いているので電車です。
新幹線も線路を走って人を運んでいるので列車で、電気の力で動いているので電車です。
汽車は蒸気の力で動く
汽車は、線路を走る蒸気の力で動く列車で、「蒸気機関車(じょうききかんしゃ)」や「SL(エスエル)」と呼ばれています。
汽車は、石炭を燃やして水を蒸発(じょうはつ)させて、その蒸気の力を動く力に変えて動きます(東武鉄道/SLのしくみ 参考)。
ずっと前は、電車やディーゼル機関車は走っていなくて、線路には汽車(SL)しか走っていませんでした。
ふだんは見ることのできない汽車(SL)は、観光地などのイベントで乗れたり、見たりできます。
*静岡県の「大井川鐵道(てつどう)」では、年間300日以上SLを営業運転しています。日本で年間300日以上SLが走っていて、SLに乗ることができるのは、ここだけです。
電車と汽車のちがい
電車と汽車とディーゼル機関車は、線路を走って人や物をはこぶ列車の仲間です。
列車のうち、電気の力で走るのが「電車」です。
列車のうち、蒸気の力で走るのが「汽車」です。
列車のうち、ディーゼルエンジンの力で走るのが「ディーゼル機関車」です。
新幹線も地下鉄も路面電車も電車です。
SLは汽車です。
日本で走っている、ほとんどの列車は「電車」です、地方などの一部の地域で「ディーゼル機関車」が走っているけど、「汽車」はほとんど走っていません。
北海道では、列車を「きしゃ」と呼ぶ?
北海道に住んでいる、ほとんどの人が、JR北海道の線路を走るすべての列車を「きしゃ」とよびます。
令和になって、汽車はもう走っていないのに、列車を「きしゃ」と呼びます。
お年寄りも子供も、電車やディーゼル機関車も「きしゃ」と呼びます。
だけど、お年寄りも子供も、地下鉄は「ちかてつ」と呼んで、路面電車は「でんしゃ」とか「しでん」と呼んで、「きしゃ」とは呼びません。
なぜ汽車と呼ぶのか?というと、「昔は線路を汽車しか走っていなかったので、昔からある線路(JR北海道の線路)を走る列車を「きしゃ」とよび、新しくできた路面電車を「でんしゃ」と呼んで、区別したから。」という意見があります。
なぜ汽車と呼ぶのか?という意見は、このほかにも、「昔から線路を走っている列車を汽車と呼んでいたので、ディーゼルとか電車とか言いかえるのが、めんどうくさかったから」など、いろいろあります。
北海道のほかに、鹿児島や長崎などでも、JRの線路を走るすべての列車を「きしゃ」と呼んでいます。
まとめ
列車は、線路を走って人や物を運ぶ車両で、なにで動いているか?なん両で走っているか?は関係ありません。
電車も汽車もディーゼル機関車もみんな列車です。
電車は電気の力で動く列車で、汽車は蒸気の力で動く列車、ディーゼル機関車はディーゼルエンジンで動く列車です。
今の日本で走っている列車のほとんどは「電車」で、「ディーゼル機関車」は地方などの一部の地域でしか走っていません。
汽車は、静岡県の「大井川鐵道」をのぞいて、観光地などのイベントでしか乗ったり、見たりできません。
北海道のほとんどの人は、JR北海道の線路を走る列車を「汽車」と呼びます。
私は、北海道に住んでいて、JR北海道を利用しますが、女子高生が「汽車」といっているのを、何度も聞きました。
北海道から「きしゃ」が消えることは、未来永劫(みらいえいごう)ないのかもしれませんね。