ポン引きの意味と語源(諸説)~ポン引きの歴史と現在の客引きとの違い

ポン引き-歓楽街 話題

ポン引きとは、街角で売春の勧誘かんゆう周旋しゅうせんをする人や、土地に不慣れな人をだまして金品をかすめ取ること、またそのような行為をする人のことです。

昭和32年4月1日に売春防止法が施行されるまでは、日本の歓楽街(とくに東京の歓楽街)には、多くのポン引きがいました。

昭和30年ころには、一晩で当時の大卒の初任給の半分くらいを稼ぐポン引きもいたといわれています。

現在は、風俗店に限らず居酒屋などの飲食店において、執拗に来店をさそうこと、またそのような行為をする人を「客引き」といいます。

客引きは、逮捕・処罰される可能性があります。

ポン引きの意味と語源、ポン引きの歴史と現在の客引きとの違いを、やさしく詳しく解説します。

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ポン引きの意味と語源(諸説)

ポン引きは、現在の日本において違法・違法行為です。

売春防止法第5条

売春をする目的で次の各号の一に該当する行為をした者は、六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。

売春防止法第6条

売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
2 売春の周旋をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。

参考:電子政府の総合窓口 e-Gov

※ 周旋とは、仲にはいって世話をすること。

ポン引きの意味

1・街角で売春の勧誘・周旋をする人。

2・土地に不慣れな人を騙して金品をかすめ取ること。

3・土地に不慣れな人を騙して金品をかすめ取る人のこと。

※ 正確にはポンヒキといって、ポンビキと濁りませんが、現在ではポンビキと濁るのが一般的です。

ポン引きの語源

江戸時代(1865年)の歌舞伎・おどけにわかあたかのしんせき(滑稽俄安宅新関)に「こいつも同じぽん太郎」という一節があり、「ぽん太郎」が「まぬけ。ぼんやりもの。ぼんくら」という意味で使われていたことから、

ポン引きの「ポン」は、「ぽん太郎」が語源で、

ポン引きは、「まぬけ・ぼんくら・ぼんやりした者を引いて騙すこと」に由来するという説が定説です。

ポン引きの語源(諸説)

ポン引きの語源には定説になっているものの他にも諸説あります。

1・田舎から出てきたばかりの「ポッと出の人」を引いて騙すことに由来する。「ポン」=「ポッと出の人」とする説。

2・客の肩を「ポンポン」たたいて引くことに由来する。「ポン」=「ポンポンと肩をたたく」とする説。

3・世間知らずの「ボンボン」を引くことに由来する。「ポン」=「ボンボン」とする説。

4・盆のうえでやる博打の「盆引き」に由来する。「ポン引き」=「盆引き」とする説。

ポン引きの歴史

江戸時代後期の儒学者・松崎慊堂の日記「慊堂日暦」に、ポン引きという言葉が出てくることから、江戸時代の後期には「ポン引き」は存在していたと考えられます。

ポン引きが歓楽街で活躍したのは戦後、最盛期を迎えたのは、昭和32年売春防止法が施行される前の昭和30年ころ。

当時のポン引きは、上野と浅草だけでも500人~600人いたといわれています。

ポン引きの収入は、お客を紹介した売春宿の経営者、売春婦をまとめていた組織の経営者からもらう「オトシ」と呼ばれる分け前。

昭和30年ころ、一晩で3,000円から8,000稼ぐポン引きもいたといわれています。(昭和30年大卒の初任給平均11,000円)

昭和32年4月1日、売春防止法が施行され、ポン引きは警察の売春取締本部によって一斉に検挙されたこともあり、ポン引きは数を減らしていきます。

現在、ポン引きは存在しません。

※ポン引きを英語に訳すと、pimp と訳すようですが、米国でいうpimpは、自分で売春婦を数人かこって、彼女たちが稼いだお金から分け前を取る人。客引きは、彼女たちが行い、通常pimpが客を引くことはありません。

ポン引きと客引きの違い

ポン引きとは、街角で売春の勧誘・周旋をする人や、土地に不慣れな人を騙して金品をかすめ取ること、またそのような行為をする人のことです。

現在の日本では、違法・違法行為にあたるので、現在、ポン引きは存在しません。

客引きの定義は、「相手方を特定して営業所の客となるように勧誘すること」。

風俗店に限らず、居酒屋などの飲食店においても、執拗な勧誘や強引な客引き行為をすると、風営法や迷惑防止条例に違反することになり、逮捕・処罰される可能性があります。

店の前で、不特定多数の人に大声で「どーぞ、いらっしゃい」と呼び込んだり、道路使用許可を得てチラシなどを配る行為は、客引きと呼ばず、違法行為にあたりません。

ポン引きも客引きも、特定の人を勧誘するということは同じ。

ポン引きは、「売春防止法」や「ぼったくり防止条例」に違反します。

客引きは、「風営法」や「迷惑防止条例」に違反する可能性があります。

ポン引きは売春や「ぼったくり」に限らます。一方で、客引きは、居酒屋などの飲食店にも適応されます。

※現在、居酒屋のぼったくり被害を規制する法律はありませんが、状況や証拠などによっては「詐欺罪」になる可能性はあります。

まとめ

ポン引きは江戸時代後期には存在していて、最盛期は昭和30年ころ。

街角で売春の勧誘・周旋をする人や、ぼったくりをする人、ぼったくりをすることを、ポン引きといいます。

ポン引きは、違法・違法行為なので、現在は存在しません。

現在、存在している「客引き」は、「風営法」や「迷惑防止条例」に違反する可能性があります。

ポン引きのポンの語源は、「ポン太郎」=「まぬけ・ぼんくら」という説が定説です。

すすきのを歩いていると、よく客引きに声をかけられます。

札幌近郊で生まれ育ったけど、田舎者っぽいのか?ぼんくらに見えるのか?欲求不満っぽく見えるのか?

せっかく楽しい気分で飲み歩いているのに、客引きに声をかけられると、さめちゃいます。

楽しい気分で飲み歩いているときは、いつもよりずっと客引きが「うざく」感じられます。

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