台と代の使い方の違い~やさしく詳しく解説します~

言葉

台は、数量のおおよその範囲を示したり、車や機械などの数を数えるのに用います。

代は、家やその地位を継いだ順位を示したり、年齢や年代のおおよその範囲を示すのに用います。

年齢を示すときに、40歳台と40(歳)代は同じく40歳以上50歳未満を示しますが、「台」を使うときは必ず「歳」をつけて使います。

年代を示すときに、1980年台と1980年代は同じく1980年から1989年までの間の期間を示しますが、一般的に「代」を使い「台」は使いません。

値段を示すときには、「台」を使い「代」は使いません。1000円台は1000円以上2000円未満までを示します。

やさしく詳しく「台」と「代」の違いを解説します。

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台の正しい使い方

台は、数量(時間・重さ・値段・年齢)のおおよその範囲を示すのに用いたり、車や機械などの数を数えるのに用います。

数量の範囲を示すのに「台」を使うときは、時・分・キロ(㎏)・円・歳などの単位を数字の後につけて使います。

一般的に、年代を示すときには「台」を用いません。

数量のおおよその範囲を示す使い方

時間のおおよその範囲を示す使い方

「午後2時台に渋滞のピークをむかえそうです。」

はっきりと2時何分に渋滞のピークをむかえるかは分からないけど、おおよそ午後2時から午後3時までの間にそうなりそうという意味。

午後2時台は午後2時から午後3時までの間。

重さのおおよその範囲を示す使い方

「300キロ台のマグロを何本もあげた」

300キロ台の大きなマグロを何本も釣り上げたという意味。1本1本の正確な重さを重視しない表現。

300キロ台は300キロ以上400キロ未満。

値段のおおよその範囲を示す使い方

「都内でキュウリの価格が1本100円台前半まで値上がりした」

お店によって値段に差はあるものの、ほんとんどのお店で100円台前半(100円からおおよそ150円くらいの間)で販売されているという意味。

100円台は100円以上200円未満。

年齢のおおよその範囲を示す使い方

「2050年には女性の平均寿命が90歳台に達する見通しです」

具体的に90何歳になるかというより、90歳以上になることに趣(おもむき)をおいた表現。

90歳台は90歳以上100歳未満。

数を数える使い方

大型の家具や楽器、車や機械などを数えるのに「台」を用います。

「私の部屋には、ベッドが3台あります」

「1台のピアノを姉妹3人で使っています」

「私は軽トラックを2台もっています」

「私の会社にはパソコンが1台しかありません」

その他、テーブル・ソファー・本棚・車椅子・パチンコ台・流し台・乾燥機などを数えるときにも「台」を用います。

代の正しい使い方

代は、家または位を継いでその地位にいる間や、それを数えるのに用いたり、年齢や年代のおおよその範囲を示すのに用いたり、物やサービスなどの対価として払う料金を示したり、歴史上の期間を示したりするのに使います。

数量(時間・重さ・値段)のおおよその範囲を示すのに「代」を用いません。

代には「かわる」「かわりになる」という意味もあるので「代打」「師範代」のような用い方もあります。

家または位を継いでその地位にいる間を示す使い方

「跡取りがいないので、私の代でこの商売も終わりです」

先祖代々続けてきた商売だけど、跡取り(あととり)がいないので、「自分の代(自分が生きている間)」で商売をやめるという意味。

家または位を継いだものを数える使い方

「江戸幕府第8代将軍、徳川吉宗」

江戸幕府の8代目(家・位・名を継いだ順序)の将軍は徳川吉宗という意味。ちなみに第8代の「第」は、「第3中学校」のように数に冠して順序を数える語です。

年齢のおおよその範囲を示す使い方

「私の会社では60代の人も活躍しています」

具体的な年齢ではなく60代に趣をおいた表現。年齢に「台」を使うときは必ず「歳」を使いますが、年齢に「代」を使うときは必ずしも「歳」を使う必要がありません。

60代は60歳以上70歳未満。

年代のおおよその範囲を示す使い方

「バブルがはじけた、1990年代初頭」

はっきりと、何年何月までかを明記せず、おおよその年代の範囲を示した表現。

1990年代は1990年から1999年までの間。

地質時代の最大の区分

古生代・中生代・新生代に分ける。生物の進化に基づいて区分した期間で、時間の長さは一定でない。代はさらに紀・世・期に細分されます。

物やサービスなどの対価として支払う料金

「今月の電気代は、2023円です」

電気料金が2023円という意味。ガス代・水道代・飲食代など料金を示すのに「代」を用います。

まとめ

一般的に台は、年代を示すときには用いません。

代は、時間・重さ・値段を示すときには用いません。

台も代もおおよその年齢の範囲を示すのに用いますが、「台」を使う場合は「30歳台」というように必ず「歳」をつけて使います。

「台」は、数量のおおよその範囲や車などの数量を数えるのに用います。

「代」は、家や位を継いだ順位を示したり、年代や歴史上の期間を示すのに用います。

「台」には、「人や物を乗せるもの」「食物」「平たくて高い土地」という意味もあるので、「ちゃぶ台」「台所」「台地」というような用い方もあります。

「代」には「かわる」「かわりになる」という意味もあるので「代打」「師範代」のような用い方もあります。

余談ですが、「取り替える」が正解で「取り代える」は間違えです。

北海道では「取り替える」ことを「ばくる」といいます。「ばくる」だと誤字の心配もないし、3文字だし、良い言葉だなぁと思うこの頃です。