フッ化ポリイミドの用途-フッ化ポリイミドって何?

フッ化ポリイミド用途 話題

スマホの画面やテレビ画面などにも使われている有機ELディスプレイなど意外と身近な物にもフッ化ポリイミドは使われています。

ポリイミドにフッ素を導入したものをフッ化ポリイミド(フッ素化ポリイミド)といいます。

ポリイミドは機械的強度、熱的安定性、絶縁特性に優れているので、航空宇宙の分野やエレクトロニクスの分野で幅広く使われています。

フッ化ポリイミドは、ポリイミド以上に航空宇宙分野やエレクトロニクス分野、光通信分野などで要求される特性をもつ優れた化学製品で、世界生産量の約9割を日本が占めています。

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フッ化ポリイミドって何?

ポリイミドにフッ素を導入したものをフッ化ポリイミド(フッ素化ポリイミド)といいます。

ポリイミドとはイミド(アンモニアの水素原子2個をアシル基で置換した化合物)が多数連結した主鎖をもつ高分子化合物の総称で、エンジニアリングプラスチックのひとつです。

ポリイミドにフッ素を導入することで、本来のポリミイドのもつ機械的強度・熱的安定性・絶縁特性に加え、様々な特性を有する化学製品になります。

フッ化ポリイミドの特性

1・高耐熱性

2・低誘電率

3・光透過性

4・低屈折率・複屈折制御性

5・低吸水性

6・撥水・撥油性

7・溶剤溶解性

8・可撓性・柔軟性

9・生体適合性

10・微細加工性

11・難燃性・環境安定性

フッ化ポリイミドの世界生産量の約9割を日本が占めています。

*フッ化ポリイミド・ポリイミドを生産する主な国産メーカー:ダイキン工業(原料6FDA)・JSR(加工材料)・カネカ(超耐熱性ポリイミドフィルム)・旭化成(感光性ポリイミド)・富士フイルム(感光性ポリイミド)など

フッ化ポリイミドの用途

フッ化ポリイミドはポリイミドの特性に加えて様々な特性を有し、さまざな分野で使用され、研究されている化学製品です。

エレクトロニクス分野

低誘電率、光透過性、溶剤溶解性、微細加工性の特性などからエレクトロニクス材料に使用されています。

①絶縁材料・層間絶縁膜

②フレキシブル基板(基盤構成材料)

③フレキシブル透明基材(ディスプレイなど) 

④液晶ディスプレイ光学フィルム(液晶ディスプレイ視野角拡大)

⑤低誘電保護膜(半導体各種絶縁保護用)

など

宇宙航空分野

光透過性(可視光に対する透明性)の特性、高耐熱性の特性などから宇宙航空機関係の部材に使用されています。

①航空機エンジンの軸受(耐熱樹脂)

②航空機エンジン周辺部材

など

光通信分野

光透過性(近赤外光に対する透明性)の特性、低吸水性(低吸湿性)の特性などから光通信分野で使用されています。

①光デバイス(光導波路材料、光スイッチなど)

など

その他の分野

フッ化ポリイミドの特性をいかし様々な分野で、フッ化ポリイミドの利用が検討されています

①軍用航空機

②軍用レーダー

③宇宙ロケット

など

まとめ

エンジニアリングプラスチックのひとつポリイミドにフッ素を導入したものをフッ化ポリイミド(フッ素化ポリイミド)といいます。

フッ化ポリイミドは、ポリイミドの特性に加えてさまざまな分野で要求される特性を有する化学製品で、世界生産量の約9割を日本が占めています。

エレクトロニクス分野、航空分野、光通信分野など幅広い分野ですでに利用されているフッ化ポリイミドは、宇宙ロケットや軍用航空機やレーダーなどでも使用が検討されている注目の化学製品です。

今後ますます利用価値が上がりそうなフッ化ポリイミドの生産は、今のところ日本が世界をリードしています。

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