努の一文字で「ゆめ」、努努と書いて「ゆめゆめ」と読みます。
夢(ゆめ)と努(ゆめ)は、発音は同じですが、意味は異なります。
夢は、dream。
寝ているときに見る「ゆめ」、将来の「ゆめ」、「ゆめ」のような出来事、という時の「ゆめ」は”夢”です。
努は、never。
下に「するな」のような命令・禁止の語をともなって、「気をつけて」「できるだけ努力して」という意味で、
下に「しない」のような禁止・打ち消しの語をともなって、「決して」「まったく」「少しも」という意味で使われる語です。
努努(ゆめゆめ)は、「努」をかさねて意味を強めた語です。
努努とは
努努(ゆめゆめ)は「努」を重ねた語です。
同じ語を重ねることで、調子を整えたり、意味や感情を強める効果があります。
努努の意味1
下に「してはいけない」「するな」のような、禁止の語をともなって、「決して」「断じて」という意味になります。
努努、夢をあきらめるな:決して、夢をあきらめるな
努努、手をだすな:決して、手をだすな
努努、許してはいけない:断じて、許してはいけない
努努の意味2
下に「しない」「ない」のような、打ち消しの語をともなって、「少しも」「まったく」という意味になります。
努努、金がない:少しも、金がない
努努、見ていない:まったく、見ていない
努努、記憶がない:まったく、記憶がない
努とは
努(ゆめ)は、もともと「不吉なことを避けることを命令する」という意味で使われていた語です。
努は、神聖なものや不浄なもの、触れてはいけないものを忌み遠ざけるようすを意味する「ゆゆし」に由来する語で、
「ゆゆし」は、神聖なものを意味する「斎(ユ・い)」を重ねた語です。
斎は、神事に関係するものについて、「不浄を清める」という意味で使われる語。
努は、もともと神聖なものを、おそれうやまう感情を表す語で、そこから、程度がはなはだしいという意味をもつようになった語です。
努の意味1
努は、下に「してはいけない」「するな」のような命令・禁止の語をともなって、「気をつけて」「できるだけ努力して」という意味で使われる語です。
努、他人に言うな:できるだけ努力して、他人に言うな
努、怒鳴ってはいけない:できるだけ努力して、怒鳴ってはいけない
努、近づくな:できるだけ努力して、近づくな
努の意味2
努は、下に「しない」「ない」のような禁止・打ち消しの語をともなって、「決して」「まったく」「少しも」という意味になります。
努、考えたことはない:まったく、考えたことはない
努、忘れない:決して、忘れない
努、あきらめない:少しも、あきらめない
まとめ
努努(ゆめゆめ)は、「努(ゆめ)」を重ねて、努の意味を強めた語です。
努と夢(ゆめ)は、発音は同じだけど、まったく違う意味で使われる語です。
夢を英語に訳すとdream、努を英語に訳すとnever。
努の意味は、「できるだけ努力して」「決して」「まったく」「少しも」。
努努の意味は、努の意味を強めたもの。
努努も努も今では、あまり使われない語ですが、言葉のひびきの美しい日本語です。
後世に残したい日本語ですね。