どどめは北関東、とくに栃木県や群馬県で話されている方言で、その意味は「桑(くわ)の実」です。
どどめ色とは、桑の実の色をさします。
桑の実の色は、徐々に変化するので、どどめ色は何色と限定することはできませんが、一般に桑の実が熟した色をさします。
どどめ色は「紫黒色」と「桑の実色」のあいだの色で、本来、神秘的で魅力的な色です。
どどめ色を、目でみて分かるように色見本をつかって、分かりやすく解説します。
どどめ色は紫黒色と桑の実色の間の色
桑は、絹糸を生産する蚕(かいこ)が食べる植物で、桑の実は、成りはじめは白く、徐々に赤くなり、完全に熟すと黒っぽい色になります。
どどめ色は、おおむね「紫黒色(しこくいろ)」から「桑の実色」の間の色をさします。
紫黒色
桑の実色
桑の実は成長とともに色が変化します。
どどめ色は何色と限定できませんが、紫がかった黒色・赤みがかった黒色・黒みがかった赤色・黒みがかった紫色をどどめ色と呼びます。
紫黒色と桑の実色の間の色とは
紫黒色(しこくいろ)
紫黒色
広辞苑で桑と調べると、実の解説に「小さい実を結び熟すと紫黒色を呈し、味は甘い」とあります。
紫黒色は日本の伝統色で紫がかった黒い色です。
紫黒色:カラーコード#2e2930もどどめ色です。
赤黒色(せっこくしょく)
赤墨
黒鳶
大辞林で桑と調べると、実の解説に「実は赤黒く熟し甘い」とあります。
赤黒色は、赤みがかった黒色です。
赤墨(あかすみ):カラーコード#3f312b/黒鳶(くろとび)カラーコード#432f2fもどどめ色です。
暗赤色(あんせきしょく)
葡萄色
葡萄茶
赤褐色
学研国語大辞典で桑と調べると、実の解説に「果実は熟すと暗赤色になり、あまく、食用となる」とあります。
暗赤色は、黒みがかった赤色です。
葡萄色(えびいろ):カラーコード#640125/葡萄茶(えびちゃ):カラーコード#6c2c2f/赤褐色(せっかっしょく):カラーコード#683f36/鳶色(とびいろ):カラーコード#95483fもどどめ色です。
桑の実色(くわのみいろ)
桑の実色
北関東の方言”どどめ”の意味「桑の実」に、由来する色です。
桑の実色は日本の伝統色で、暗い紫系の色です。
桑の実色:カラーコード#55295bもどどめ色です。
どどめ色のイメージは高貴・神秘的
どどめ色と聞いて、多くの人は頭に「黒っぽくくすんだ紫」あるいは「黒っぽくくすんだ赤色」を思い浮かべます。黒っぽい色なので多くの人は、「暗い」・「年老いた」というイメージを抱きがちです。
どどめ(桑の実)がなる桑の木は、遠野物語などにでてくる神様のご神体です。
どどめ色は、神聖な木になる実の色です。
どどめ色の本来のイメージは、「高貴な」「神秘的な」「魅力的な」「艶やかな」です。
まとめ
どどめ色は、北関東の方言で「桑の実」を意味する「どどめ」に由来する色です。
どどめは、成長するとともに色を変えるので、どどめ色は何色と限定はできませんが、おおむね「紫黒色」と「桑の実色」の間の色をさします。
綺麗な明るい色ではないので、印象の良くない色の象徴として、よく使われる「どどめ色」ですが、どどめ色は、本来、とても高貴で神秘的で魅力的な色です。
ファッション誌などでみかける秋冬の定番色ボルドーも、どどめ色といってもおかしくないかも知れませんね。
ボルドー