つまびらかは「くわしいさま」「こまかい点まではっきりしているさま」という意味で、漢字で「詳らか」・「審らか」と書きます。
詳らか・審らかは、いずれも常用漢字表にない訓読(日本語の読み方)なので、新聞などでは「つまびらか」と平仮名で書いています。
つまびらかは、形容動詞で、活用形は、次のようになります。*{}は接続語の例です。
未然形:つまびらか・だろ{う}
連用形:つまびらか・に/で{なる}{ない}{ある} つまびらか・だっ{た}
終止形:つまびらか・だ
連体形:つまびらか・な{とき}
仮定形:つまびらか・なら{ば}
つまびらかの語源を、くわしく、わかりやすく解説し、用例と類義語を記します。
つまびらかの語源はツバヒラカ
つまびらかは「ツバヒラカ」が転じた言葉です。
ツバヒラカは、平安時代に、漢文の訓読に用いられた語です。
ツバヒラカの意味は「くわしいさま」「こまかい点まではっきりしているさま」で、つまびらかと同じです。
平安時代に使われていた「ツバヒラカ」が、変化して「つまびらか」になり、当時の漢字「詳」がそのまま残りました。
いつから「つまびらか」が使われるようになったのか?つまびらかでありません。
つまびらかの用例
つまびらかは、漢字で「詳らか」とか「審らか」と書きますが、「詳」・「審」はいずれも常用漢字表にない訓読(日本語の読み方)なので、新聞では「つまびらか」と平仮名で書きます。
つまびらかは形容動詞で、おもに「つまびらかに○○」「つまびらかで○○」という連用形と、「つまびらかだ」という終止形で使われています。
連用形「つまびらかに○○」「つまびらかで○○」の用例
なぜそうなっているのかを”つまびらかに”する。
感染者の行動が”つまびらかに”なった。
”つまびらかに”観察し、対応する。
真実は”つまびらかに”されていません。
事情は”つまびらかで”ない。
戦前の様子は”つまびらかで”はない。
終止形「つまびらかだ」の用例
競技のルールは、”つまびらかだ”。
彼のアリバイは、”つまびらかだ”。
倒産の要因は、”つまびらかだ”。
つまびらかの類義語
類義語とは、「語形が異なっていて、意味の似かよっている二つ以上の語」です。
・ことこまか(事細か):くわしいこと。つまびらかなさま。
・つぶさ(具):ことごとく備わっているさま。つまびらかなさま。
・いきょく(委曲):くわしくこまかいこと。事柄のこまかな点。
・つばら(委曲):くわしいさま。つまびらか。
・いさい(委細):こまかくくわしいこと。くわしい事情。
・しょうさい(詳細):こまかくくわしいこと。
・せいさい(精細):くわしくこまかいこと。
・めいさい(明細):はっきりしてくわしいこと。
*つばら(委曲)が、”つまびらか”の語源とする説もありますが、現在も「詳らか」と漢字で書き記すことから、漢文の「詳」の訓読に用いられた「ツバヒラカ」を語源とする説が定説になっています。
まとめ
つまびらかは、「くわしいさま」「こまかい点まではっきりしているさま」という意味で、語源は、漢文の「詳」の訓読に用いられた「ツバヒラカ」です。
漢字で書くと「詳らか」・「審らか」と書きますが、「詳」・「審」はいずれも常用漢字表にない訓読(日本語の読み方)なので、新聞などでは「つまびらか」と平仮名で書きます。
ほとんど使うことのない「つまびらか」。
まれに、政治家が「つまびらか」を使った発言をして、それをあつかった新聞などの報道で目にしたり耳にしたりする程度。
日常で使わない言葉を、使うと少し賢く見えます。
政治家が、「つまびらか」のような、日常で使わない言葉を使う時は、自分を賢くみせたい時かも知れません。